「誤解しないで!」と人に発することを極力抑えてみませんか。 「あ…自分は誤解していたかもしれない」と、自分自身で反芻する機会を多く持ちませんか。 それだけで随分、コミュニケーション力は上達すると思います。
全員部署が違う、課長クラスが出席しているミーティングの場。
あるキャンペーンの施策について、A課の課長が
「現場から“イケてない”とか“いまどきこんなやり方は若者にはやらないと思う”などの意見がいろいろ出ています。」
と言い切りました。それを聞いていたB課の課長。
「では、あなたの課としては、本キャンペーンに否定的ということですね?」
と質問。するとA課の課長、ムキになって。
「誤解しないでください!私は賛成です。」
…誤解するも何も、現場の声を代表して課長が述べているのですから、B課の課長のように「解釈」するのが当然ですよね。
・・・
若い独身の男女2人が、ランチの時は毎日一緒。
「2人、付き合ってるんだよね?」
の声に、女性、キッとした目つきになって
「誤解しないで!そんなんじゃありません!」
…誤解するも何も、そう解釈するのがフツウなんですけど…
・・・
なかなか良い例えが思いつかなくて恐縮ですが(苦笑)、自らの言動について
「誤解しないで!」
と、他人に向けて発すること、発せられること、誰でも少なからず経験しているのではないでしょうか。
でも…
自らがとった言動を、相手がそう「解釈」したわけですから、その「解釈」を「誤り」と言うことはできないと思うんです。
言を発した、行動を起こした人間の意図とは違う、という事実こそあれ、それをどう解釈するかは相手の自由です。
もちろん、軽い口調で「あ、誤解しないでくださいね~」と伝えるのであれば、コミュニケーションの一環として全く問題ないとは思いますが、ケンカ腰、あるいは、解釈した相手に非があるような言い方で「誤解しないで!」という態度が宜しくないと思うわけです。
「誤解しないで!」と連発する人は、往々にして、
「自分の伝えたことは相手に伝わって当然」
という尊大な気持ちを持ち合わせているか、あるいは
「自分は表現力がある」「自分の言葉の使い方は間違っていない」(だから捉えていない相手が悪い)
という過信がある人のような気がします。
誤解が発生する時は、コミュニケーションに齟齬が発生している時です。
そして、コミュニケーションの齟齬は、どちらか一方の問題ではなく、両方の問題。
声高に「誤解だ!」と叫ぶ人は、結局のところ、コミュニケーションの本質を弁えていない人なんですよね。
だから、いつまでたっても、「誤解されやすい人なんだ、自分は」という意識のまま変わらず、コミュニケーションの上達が見られません(苦笑)。
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