今回は、議事録をテーマにした提言。議事録が上手く機能していない。なぜなら、型ありきでの 杓子定規な議事録が横行しているからである。
■上手く機能していない
仕事柄、プロジェクトの推進役として、様々な会社の様々な会議に関与させて頂いている。その会議運営の中で、議事録が上手く機能していない現場が多い様に見受けられる。
具体的な問題例として、
・一人ひとりの発言をひとつ残らず拾ったA4 10ページ位の超大作。但し、9割くらいがどうでもいい冗長的な内容で、残りの重要な1割が埋もれてしまっている。で、共有タイミングも会議が終わってから1週間以上経過してしまっているもの。(量的にも鮮度的にも不適切で読まれない)
・逆に、ディスカッション内容自体が主たる成果であるアイデア創出会議にて、箇条書きで昇華されたアイデアのみを数行書いただけのもの。(アイデアの原石を取りこぼしている)
■あるべき型が固まっている
議事録について いろんな方と意見交換した。たいていの方が(先輩上司から受け継いだ もしくは 自己学習して身につけた等で)あるべき議事録の型というものを持っている。また、その型は 1通りで、会議内容に関係なく同じ型を適用しているというのが実態の様である。そもそも、議事録の作成を若手に丸投げして、その若手には複数の型を使い分けるといった高等テクニックを持ち合わせていないという事も言えるかも知れない。これはこれで、議事録を軽視した根深い問題とも言える。
いずれにせよ、型ありきでの 杓子定規な議事録が横行しているという事である。
■目的を達成する為にあるべき
議事録(資料全般に言えることだが)とは、何かしらの目的を達成する為の手段として あるべきである。そもそも、目的が無ければ、議事録を作る意味など無い。
で、その何かしらの目的とは、下記の様なものになる。
・(参加者間での)議事内容の再確認
・(不参加者向けに)議事内容の共有
・(利害関係者間での)議事内容の覆し牽制(*エビデンスとして活用)
上記のうち、1つもしくは複数の目的を達成すべく議事録はあるべきである。尚、複数の目的を持つ場合は、当然だが 各々の目的に重み付け/優先順位は存在する事になる。
なので、そもそも型ありきで、議事録を作るという発想は不適切である。目的ありきでないからピント外れの議事録ができあがるのである。
議事録を作る際には、
どの目的に重点を置いて書くべきか?
どのレベル感で議事録を作るべきか?
を強く意識すべきである。
■レベル感を使い分けること
最後に、議事録のレベル感について。これは、下記3つに大別できるのではないかと考える。
1.確定事項だけを箇条書き
2.各テーマの議論内容を要約
3.各テーマの発言内容を書き起こし
繰り返しになるが、先程の目的達成視点で、議事録の共有相手をイメージしながら、どのレベル感で作るべきかをイメージする事が大切である。議事録を上手く機能させるために!
こちらプロジェクト推進部、エフィジェント。
代表コンサルタント 赤秀有為
~『プロジェクトを推進させる会議術』セミナー開催中~
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2009.02.10
2015.01.26
エフィジェント株式会社 代表取締役コンサルタント
慶應義塾大学 環境情報学部卒。IBM/サン・マイクロシステムズ/PwCコンサルティング社にて、いずれもコンサルタント職として計10年在籍。 その後、エフィジェント社を創業し、代表コンサルタントとして、システムコンサルティング、システム開発活動に従事。専門システムは、デジタルサイネージ/EC/業務システム。