今年5月、マイナーモデルチェンジした、「大人かわいいクルマ」がコンセプトのクルマ、ホンダのフィット「シーズ」(She's)。
*ホンダ フィット「シーズ」
http://www.honda.co.jp/Fit/webcatalog/type/shes/
シーズ(彼女の)というネーミングでおわかりのように、女性をターゲットとした特別仕様車です。2010年に「シーズ」が初めて発売されたきっかけは、2007年の「先進性」を強調したフルモデルチェンジによって、「顔がきつい」と女性の不評を買ってしまったことでした。
そこで、女性仕様の「シーズ」を開発したところ、販売開始当時は、フィット全体の販売実績の1割を占め、当初の期待を上回る結果となりました。そこで、今回のマイナーチェンジでは、さらに女性仕様を深化させるため、女性社員4人が開発メンバーとなって主体的に開発を進めたとのこと。
さて、シーズの最大の特徴はボディカラー。特に、「ピンクゴールド」はシーズ専用色です。さらに、スマートキーの色は、ボディカラーに関わらずピンクのみ!どうして、ピングがここまで重視されたかというと、開発メンバーによるホンダ女性社員を対象とする「色に関する意識調査」で、多くの女性がピンクを好むことを突き止めたから。
実のところ、色についての心理学、つまり、これまでの様々な調査・研究によれば、「女性はピンクが大好き」ということは実証済みです。女性は、幼児の頃から、ピンクに対して明確な好みを示しますよね。このため、女性によっては「子供っぽい」というイメージを避けるため、ピンクの服や持ち物を避ける人もいます。もちろん、ピンクが嫌いになったわけではない。また、興味深いことですが、「シニアの女性もピンクが大好き」ということがわかっています。
なぜ女性はピンクが好きなのでしょうか?
ひとことで言えば、「赤ちゃん」をイメージさせるものだからですね。赤ちゃんのピンク色の肌。母性本能をくすぐるだけでなく、おそらく、赤ちゃんの張りのある、滑らかな肌に対する「憧れ」もあるのかもしれません。ですから、あらゆる女性向け製品においては、ピンクの割合が相当高くなっています。ただ、ピンクといっても、好まれる色味は微妙です。男性にはなかなか判断できないもの。色味の微妙な調整は女性担当者にまかせるべきでしょう。
「色」は、製品、サービス、あるいは企業のブランドイメージを決める主要素の一つ。新製品開発に当たっては、注意深く色を選定する必要があるんですね。
*日経MJ(2012/07/04)の記事を参考にしました
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2015.07.10
2015.07.24
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー
これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。