若手バイヤーの活躍

2012.09.19

経営・マネジメント

若手バイヤーの活躍

野町 直弘
調達購買コンサルタント

先々週の週末に購買ネットワーク会がありました。 今回は当会でお会いした3人の若手バイヤーの方々の活躍や言動にとても感動しました。

先々週の週末に購買ネットワーク会がありました。
今回はいつも司会をやられている方が都合により欠席ということで、私が5年ぶりくらいに司会をやることになったのと、11時からの少人数での討議を行うラウンドテーブルのテーマにも感心があったので、久しぶりに午前中から4次会までフルフルで参加しました。

コンテンツについては毎回同様素晴らしい内容でしたが、それ以上に今回は当会でお会いした3人の若手バイヤーの方々の活躍や言動にとても感動しました。

1人目はグループワークの発表をした若手バイヤーの方です。
この方のプレゼン能力の高さには圧倒されました。
今回のケーススタディは牧野先生が作成した坂本ディーゼルという企業の協力会参加企業に対するお願い事項を調達部長の立場でプレゼン(挨拶)する、というものでした。毎回購買ネットワーク会のグループワークでは全グループの発表後に参加者が最優秀チームを選定し表彰するのですが、今回は私が参加したチームが最優秀賞を獲得することができました。
その大きな理由が発表者のプレゼンの上手さでした。
まず発表者を誰がやるかグループ内で話していた時に、その若手バイヤーは自ら進んで「私がやります」と立候補してくださいました。その時点で非常に好印象だったのですが、グループ発表時のプレゼンの上手さは傑出していました。3つのお願い事項を上手く印象に残るように説明するだけでなく、まずは結論から先に述べ、その後で「何故なら~」と続ける理解のしやすさ、それから話の間が素晴らしく、感動しました。
このようにプレゼン上手な若手バイヤーがいるところにはいるのだな、と。

2人目は発想能力の高い若手バイヤーです。
今回の私のグループの発表はプレゼン能力だけでなく、加えて発表に意外な内容が含まれていたことが評価されました。この意外な内容はグループ内のやはり若手バイヤーからでてきたものでした。ケースには坂本ディーゼルの日本の協力会参加企業の評価が記されており、18社中数社を残して他は海外進出先のサプライヤとの競争に勝てないという記述がありました。
それでも従来の協力会参加企業を招待したサプライヤミーティングは実施しなければいけない。実際、多くの日本企業では協力会の存在意義が疑問視されている同様な状況が起きています。協力会の位置づけを見直そうという動きもありますが、多くの会社はしがらみを断ち切れずにいます。
グループ内で色々討議した結果、やはり海外生産に移行する現時点でサプライヤの選別をしていくことが必要であり、それをサプライヤミーティングでも宣言する必要があるのではないか、という議論になりました。
しかし協力会企業の集まりという場がそれに適しているかどうかについては殆ど議論がされませんでした。討議の場でその若手バイヤーからハッとするような発言があったのです。
「私の会社では協力会というものがないのでわからないのですが、協力会というのは競争力がある限られた企業だけが参加している会なのではないですか?もしそうでなければ何故協力会が必要なのでしょうか?協力会自体なくしたらいいと私は考えます。」正におっしゃる通りです。我々は日々の経験の中で「協力会とはこういうものなんだ。」的な考えに囚われており、このようなOut-of-the-Box Thinking的な発想ができていませんでした。私のチームは3つの事項の一つに「協力会を廃止する」という宣言を盛り込み、これは他のグループにはない視点でした。このような若いバイヤーの既成概念にとらわれない視点の素晴らしさに感心しました。

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野町 直弘

調達購買コンサルタント

調達購買改革コンサルタント。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルです。

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