格安航空会社(LCC)のビジネスモデルの特徴は、 高い品質と驚く安さ を両立させていることです。 「高品質」と「低価格」という二律背反的課題をどのように解決しているのでしょうか?
LCC(Low Cost Carrier)は、マスコミでは「格安航空会社」と称されていますね。
‘格安’という言葉の語感からは、
「安かろう、悪かろう」
という印象をどうしても受けてしまいます。
しかし、実のところ、LCCは高い品質、そして高い安全性を維持しつつ、低価格を提供しているのです。
逆に言えば、品質を下げたり、単純に利益を削って低価格を提供しているわけではないということ。
一定の利益を確保しつつ、低価格を提示できる最大の秘密は、
機材の効率活用
にあります。
端的に言えば、1つの機体を高頻度で飛ばすことです。
例えば、
・関西⇔福岡
といった、基本的に乗り継ぎが発生しない短い路線を1日に何度も往復することで、1便当たりの
「単位コスト」
の低減を可能にしているというわけです。
もちろん、座席数を増やし、一度に運べる旅客数を増やすことによって総収益を引き上げる工夫はしています。(また、もろもろのサービスを有料化することでの追加収益もありますが)
しかし、最も重要なのは、目的地に着いたら、すばやく客室内の清掃や給油を終え、乗客を乗せてすぐにトンボ返りできるオペレーションを確立すること。
LCCは基本的に、チェックイン時間を厳密に定めており、わずか1-2分でも遅れたら
搭乗できない(キャンセル、払い戻し不可)
のも運航スケジュールを滞りなく守るためです。
また、ビジネス、エコノミーの区分がなく、基本的に全席「自由席」なのも、早く乗った人からさっさと座ってもらえるようにするため。
預ける手荷物も、最初の1個から別料金が発生しますが、追加収益を得ると同時に、預かる荷物をできるだけ減らして、積み下ろしの時間を短くすることを狙っています。
座席は「革張り」で高級感を演出していますが、実は、さっと拭くだけでいいので清掃時間が短縮できる!
このような様々な工夫・仕組みを積み重ね、すばやく離陸準備が整うようにして、短い時間での折り返し運航を可能にしているというわけです。
LCCに不慣れな日本人としては、既存航空会社とは異なる、このような
LCCの独特なルール
に戸惑い、また不満を感じる人もいます。しかし、慣れるにしたがい、
「だから安いんだね」
ということで納得して利用するようになるのだそうです。
さて、旅客航空の品質は、主に以下の3つの指標で判断されます。(品質を評価するための「KPI」ですね)
・定時出発率(時間通りに出発できたか)
・就航率(予定通りに飛ばせたか)
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2009.02.10
2015.01.26
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー
これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。