学生の就活が本格化しているが、内定をもらえる人ともらえない人でどのような違いがあるのか。これまでよく分からなかったことが、ビッグデータで明らかになってきたという。就活生の行動を分析している、リクルートキャリアの担当者に話を聞いた。[土肥義則,Business Media 誠]
学生の就職活動が本格化している、らしい。なぜ「らしい」を付け加えたかというと、記者は採用の仕事に携わったことがないので、いまひとつピンと来ないからである。またいわゆる“バブル世代”なので、いまのようにインターネットを使って「エントリーシートを提出する」ということもなかった(「就活」という言葉もなかったと思う)。正直に言うと、遠い昔の話なので今の動きがよく分からないのだ。
現在就活をしている学生は、どのようなスケジュールで動いているのだろうか。ある就職サイトにはこのように書かれていた。10月ごろから「自己分析」「企業研究・業界研究」をして、12月に入ると「エントリー」「会社説明会」などがある。それと平行する形で「エントリーシート」を提出して、2月には「面接」、3月中旬ごろには早い人で「内定」がもらえるという。
約20年前の就活といえば、ある日、自宅に就職情報誌がどっさりと届く。そして情報誌に添付されているハガキを送付して、企業から資料をもらったり、連絡をもらうケースが多かった。
いまの学生の多くは就職情報サイトからエントリーする。そのサイトに最近、ちょっとした工夫がされているというのだ。どんな工夫かというと「利用している人によって、サイトに紹介される情報が違うんですよ」(リクルートキャリア)という。約60万人の学生が登録している就職情報サイト「リクナビ」では昨年から、登録者全員に違う情報を提供している。なぜそんなことをしているのか、またなぜそんなことができるのか。リクルートキャリア・新卒事業本部の担当者3人に話を聞いた※。前後編でお送りする。聞き手は、Business Media 誠編集部の土肥義則。
※インタビューに応じていただいたのは、新卒事業本部の西畑俊樹さん、大西哲朗さん、小川晋一郎さん。記事中では個人の名前を出さず、「リクルートキャリア(リク)」と記しています。
就活生のどんな行動が見えてきた
土肥:「リクナビ2014」から登録者一人ひとりの行動に合わせて違う情報を提供しているそうですね。会員は60万人ほどいるそうですが、なぜそんなサービスを始められたのでしょうか?
リクルートキャリア(以下、リク):Webのリクナビが生まれて、今年で17年が経ちました。これまでさまざまな形で情報提供をしてきましたが、自分に合う情報を探し出す難しさもありました。そうした中、昨年からリクナビを利用する就活生の行動を詳細に分析できるようになりました。いわゆる“ビッグデータ”ですね。その結果、一人ひとりの学生の行動に合わせた情報を表示できるようになりました。
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