人事部長! あなたの職場にも、大人の発達障害者がいるかもしれません。病気と個別理解が人材活性化へとつながります。
元人事部長が伝える《大人の発達障害者(アスペルガー症候群)》の戦略的人財の活かし方!
戦略人財コンサルタントの鬼本昌樹です。
さて、いきなり質問です。
あなたの職場には、こんな人はいませんか?
「空気が読めない人」「他人の言葉をそのまま受け止めてしまって、意図が理解できない人」「他人とのコミュニケーションが特に下手な人」「なぜか細かなこだわりが強い人」「的外れな質問を平気でする人」「細かい作業を集中して行うことができる人」「報告をするとき、いつもいきなり詳細部分から話す人」「いつもマイペースでチームプレイが苦手な人」
これらのタイプに大方当てはまる場合は、「アスペルガー症候群」と言ういわゆる大人の発達障害者と疑っていいようです。
この「アスペルガー症候群」は、うつ病患者の内、ある神経科病院では約2割程度がアスペルガー症候群という統計も出ています。
では、このアスペルガー症候群、別名、大人の発達障害とはいったいどんな病気なんだろうか。
障害と言っても身体的な障害ではないので、目で確かめることはできません。
また、知的障害でもないので、会話も普通にできます。 また、彼らの多くは、大学も出て高い教養も身につけ、得意な仕事は完璧になくこなしています。
そのため、先に紹介したような人に対して、「変な人」と判断して、いわゆるレッテルを張ってしまう傾向にあります。 彼らの行動が理解できなくて、誤解しフィルターをかけて見てしまいます。 徐々にそれが言葉となり表現されるのです。 その結果、本人たちは強度なストレスを感じ、人間関係がこじれて、体調不良になり、徐々に仕事ができなくなり、会社に行くのが嫌になり、うつ病へと深まっていくと言われています。
私も人事が長かったので、似たケースを経験しています。
自分の認識不足と理解不足により、このような社員を人格障害とか問題児だと判定をしたことを反省しています。
そこで、病気に対する正しい理解が最初に必要です。そして、本人への理解へと進めなければ、彼らを本当の意味で活かすことはできないのです。
大人の発達障害(アスペルガー症候群)の特徴
どのような特徴(長所や短所)があるのか、まとめてみました。
1 社会的環境に溶け込めないので、グループの中に入るのが嫌い
2 コミュニケーションを上手く取れないので、一方的に喋ったり、聞かれたことしか答えない傾向にある
3 非常に細かなところにこだわりや思い込みが強い
4 人の言葉をそのまま信じて、その時の状況や発言の意図が判断ができない
5 外見からは障害の有無は判断できない
6 会話をしていても目の動きがあまりない
7 顔を表情にあまり変化がない
8 相手の表情があまり分からない(職場の空気が読めない)
9 本人がよく知っている分野は博士級だが、そうでない分野はゼロ
10 的外れな質問をすることが多い
11 言葉の選び方、敬語などの使い方がおかしい
12 自分では、感情のコントロールが下手
13 話す時、予め要点を整理してとか、簡潔に話すことが出来ない
14 自分の気持ちや意見を的確に伝えることができない
15 しぐさや話し方で時々違和感がある
16 一度に、複数のことを処理するとどれもできなくなる
17 曖昧な指示を出すと何もできなくなる
18 経験による学習が苦手
19 冗談が通じない
20 アフターファイブの飲み会、親睦会、打ち上げ会には参加したくない
21 人間関係を改善しようとすることができない
22 非常に高い集中力がある
23 こまかな作業が得意
24 予めスケジュール化された、ルーチンワークが得意
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2013.04.13
2015.12.13
戦略人財コンサルタント 代表
人事の役割は、グローバルでは2005年あたりから大きなパラダイムシフトが始まりました。それは、社員の自己実現を達成させる仕組み、制度、支援を人事が行うことです。社員が安心して会社で最大のパフォーマンスを発揮し、それが経営目標の達成、さらには事業発展に貢献できる仕組みを人事が担当する時代になったのです。 人事機能を運用管理するだけの役割は、グローバルの優良企業にはもはや1社もありません。 このような人事の役割の変化と事業の発展は等しく関係しています。日本企業の真のグローバル化、世界で戦う人材のマネジメントを行う人事部門の再構築の支援をさせて戴いております。