ここで私が社会人の新人の時に上司からよく聞いた言葉を思い出しました。「巧遅拙速」です。これは孫子の兵法のひとつで「巧遅は拙速に如かず」の略です。
年末から年始にかけて関西や上海の購買ネットワーク会に参加しました。
ここに来て多少業務が落ち着いたこともあり、とにかく現場に多く足を運んでみよう、と考えたからです。
実際に足を運ぶと多くの発見や気づきがあります。
毎日同じ電車で同じオフィスに通い同じ机に向かってデスクワークをする、応接室で取引先と話をする、これだけでは中々気づいたりしません。やはり環境を変えて自分から動き、自ら感じとろうとする姿勢が如何に大切かを改めて感じることにつながりました。
ここで私が社会人の新人の時に上司からよく聞いた言葉を思い出しました。「巧遅拙速」です。これは孫子の兵法のひとつで「巧遅は拙速に如かず」の略です。『仕事の出来が良くて遅いよりも、たとえ出来は悪くとも速く目的を達する方がよい』という意味で使われます。
私が新人時代の上司にはとにかくこれを言われました。
今日言われて次の日には「あれ、どーなった?」自分の頭の隅の方に眠らせていたちょっと難しい課題についても朝会社に行くと「要報告XXの件」とミミズのような字で書かれたメモが机の上に置いてあることがしばしばでした。
しかし、今思い返すとこの言葉は本当にその通りです。
「巧遅は拙速に如かず」なのです。私がお会いしたことのある仕事ができる人間にすべからく共通することは「速い」ことであり「納期を守る」ことです。私の最初の会社はトヨタ系の自動車会社だったのですが、トヨタ用語で「カイゼンは巧遅より拙速」という言葉もあるようです。この言葉の真意は「あれこれ考えてばかりいないで、まずはやってみよう」ということです。
できない理由ばかり考えるのではなく、とにかくやってみることです。もう一つ大切な視点は「現場を見て素早く行動すること」です。
私は新人時代に「~だと思います。で話をするな。現場を見てこい」とよく上司に言われました。現地・現物・現場の三現主義を叩き込まれたのです。このように新人の時の上司の教えというのは今でも頭に残っているものです。
私は今でもこのような素晴らしい上司に巡り合えたことに感謝しています。
話が横道に逸れましたが、それでは調達・購買部門やバイヤーにとって現場とはどこでしょうか。ある企業では顧客との接点を「現場」と位置付け、自社では納品場所がそこであると定義するとともに「現場」である納品場所の5Sを徹底的に行ったという話を聞いたことがあります。この考え方の延長線上にあるのが
サプライヤーの工場だったりオフィスだったりするのでしょう。
私は調達・購買部門にとっての現場とはサプライヤーの工場であり、オフィスであると考えます。
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2009.02.10
2015.01.26
調達購買コンサルタント
調達購買改革コンサルタント。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルです。