業務改革を進める上でいくつかの欠かせない要素があります。 その一つは「業務改革リーダーの存在」です。 最近それに加えて感じる場面が増えているのはやはりトップのリーダーシップです。
業務改革リーダーは「信念と情熱」を持っています。短期的な視点だけでなく中長
期的な視点から会社の成長や体質強化を目指す、それを実現することに信念を持っ
ています。また、改革にかける情熱も相当なものです。
企業体質の改革を順次行っていくシナリオを頭の中に描いています。
最近それに加えて感じる場面が増えているのはやはりトップのリーダーシップで
す。
「うちはトップダウンは機能しないから。」と多くの企業の方がおっしゃいます。
しかし私にはそれが自分が改革できない言い訳にしているとしか思えないことも少
なくありません。
特に「集中購買の推進」「開発購買の推進」は社内の多くの関連部署を巻き込み推
進する必要があります。このような改革については「人員を増強し体制を整え」
「プロセスを整備しルールを作り」、「それを守らせる」ことを一気呵成にトップ
ダウンで推進することが一番の早道であると言えます。
多くの企業では「そんなことは無理」という状況でしょう。次善の策はあるかもし
れません。しかし結果的に投資対効果が上がりやすいのは、このような一気呵成方
式での推進であることは間違いありません。
先日ある企業で集中購買推進についての相談を受けました。その企業も事業部が強
く基本分散購買であるものの、今まではできるところから集中購買を進めてきまし
た。トップからは「集中購買をもっと進めなさい」という指示はあるものの強力な
トップダウンは期待できないとのことです。一方で集中購買を進めるとどの程度の
コスト削減機会が望まれるのか、ということをトップから打診されているようで
す。
私はこれは極めて中途半端なトップダウンだと考えます。
トップは「これ位の効果が見込めるのであればこうしなさい」ではなく「これ位の
効果を上げるためにはどうすればよいか、考え推進しなさい。」でなければならな
いのです。
そのために必要な施策があれば「人を増強したり」「制約を排除したり」するのが
正にトップの仕事なのです。
中途半端なトップダウンは業務改革の妨げになるだけでなく現場のやる気を失わせ
ることにもつながります。また、やる気ある業務改革リーダーを潰すことにもつな
がります。様々な弊害につながるのです。
一方最近それとは対照的なトップの話を改めて聞く機会もありました。
一社はN自動車です。N自動車では経営危機を通じてカリスマ経営者がトップに就任
しました。彼がやったことの一つが購買部門の地位向上です。カリスマ経営者は購
買部門に対して3つの指示をしたと聞いています。
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2009.02.10
2015.01.26
調達購買コンサルタント
調達購買改革コンサルタント。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルです。