「海外調達は難しい」や「グローバル調達は難しい」というキーワードを最近よく聞きます。しかし私にはピンときません。しかし唯一海外のサプライヤとの付合いで日本と大きく異なる点があります。 それは「買う側のプレゼンスの低さ」です。
「海外調達は難しい」や「グローバル調達は難しい」というキーワードを最近よく聞きます。しかし私にはピンときません。バイヤーとして世界中から最適なモノを最適なサプライヤから最適な価格で購入しようとしていたら結果的にそのサプライヤがたまたま海外のサプライヤでした。ということですよね。何か難しいですか。
しかし唯一海外のサプライヤとの付合いで日本と大きく異なる点があります。
それは「買う側のプレゼンスの低さ」です。
日本国内で専門的な調達・購買部門を持つような比較的中~大規模の企業であれば
日本国内のプレゼンスは高いです。サプライヤに会社の説明すらする必要はないでしょう。
つまりサプライヤに売ってもらうための努力はしなくてよかったのです。
しかし、海外だとこれでは通用しません。売ってもらうための努力をしなければ取引できないのが一般的です。正に「買ってあげる」から「売ってもらう」へ転換しなければならないのです。
こういう世界では、会社のプレゼンスだけでなくバイヤー個々人のプレゼンスが求められます。つまり「XX株式会社だから・・」ではなく「YYさんだから取引する」という世界なのです。以前VOS(ボイス・オブ・サプライヤ)について私は「VOSをやることが相手が自分の会社をどう思っているか知ることにつながる」と書きました。一言で言うと「両想い」なのか「片思い」なのかが分かるということです。また今後サプライヤマネジメントを進める上で相手の思いを知ることが非常に重要であることは何度も述べている通りです。
こういう話をある友人としていて面白い話を聞きました。
対人関係の進化論で「SVR理論」というものがあるのだそうです。
これは1977年にマースタインという人が発表した人間関係の深まりをモデル化したものだそうです。
一般に人間関係の深まりは,以下の3つの状態をたどるとされるそうです。
1.S(Stimulus) 外見からの刺激
2.V(Value) 価値観の共有
3.R(Rule) 適合し,役割を担う
これを男女の恋愛を例にとって説明すると、最初は外見から惹かれあい、次に共有の価値観を持つことで付合いが深まり、結婚を経て最後にはロール(役割)を分担しあうことで関係性が進化するとのだそうです。
ちょっとかんがえると正に今日のバイヤーとサプライヤの関係そのものです。(特に海外)また目指さなければならない関係性作りの方向を示唆しているように感じます。
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2009.02.10
2015.01.26
調達購買コンサルタント
調達購買改革コンサルタント。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルです。