2014.01.14
100年後も豊かな暮らしが出来る街づくりに向けて(熱海)
「地方創生のススメ」編集部 (東京過疎化プロジェクト)
合同会社RegionWire
<NPO×地域活性×コミュニケーション> 高度経済成長期には日本有数の温泉街として栄えた熱海。しかしそんな熱海もバブル崩壊とともに客足が次第に遠のき寂れていくことになる。 そこで今回は、熱海に情緒と活気の両方を取り戻し、そして未来へきちんとつなげたいという想いで地域活性化に取り組んでいるNPO法人atamistaを紹介する。
「100年後も豊かな暮らしが出来る街づくり」を
高度経済成長期には日本有数の温泉街として栄えた熱海。しかしバブル崩壊以降の1990年代半ばから後半にかけて、客足は次第に遠のき、その結果ホテルや旅館はどんどん潰れ、企業の保養所も撤退していった。
その後2000年代に入ると撤退した物件の跡地に次々にマンションが立ち並ぶようになるが、「正直熱海が東京と変わらない町になっていってしまうのではないかと危機感を覚えるようになった」とatamista代表理事の市来広一郎氏は当時を振り返る。
そこで情緒と活気の両方を取り戻し、そして未来へきちんとつなげていきたいという想いから、大学進学とともに郷里を離れていた市来氏は2007年に地元・熱海へ戻り、そして翌年NPO法人atamistaを立ち上げた
atamistaでは「100年後も豊かな暮らしが出来る街づくり」をビジョンに熱海市の街づくりに取り組んでいる。さもすると“熱海=観光”ということになってしまいがちだが、短期的な視点ではなくあくまで持続可能な街にすることが重要であると考え、 “地域”“経済”“環境”の3つの側面から熱海を再生させるべく各種活動を進めている。
具体的には街づくりに参画する人を集め、育て、そしてそれら人材が交流出来る場をつくっていくことを主旨に、「オンたま」「家守事業」などの事業が進められている。
■「オンたま」
「オンたま」は、熱海に潜在する自然や地場産業、まち、人、食などにスポットを当てることで、熱海の温泉や自然の豊かさと、そこに息づく"まち"と"ひと"の豊かさなど、知っているようで知らない熱海の素顔を見つけるために定期的に開催されているプログラムだ。
■「家守事業」
「家守事業」は、まちに眠っている遊休不動産(空き家・空き店舗)を活用し、エリア価値向上を図る事業だ。そして個々の遊休不動産のみならず、道路や公園という公共空間も含めてトータルマネジメントすることで、エリア全体での再生を意識しているという。
その第一弾として商店街の一角にある遊休不動産をリノベーションしてオープンさせたのが「CAFÉ RoCA」だ。ここはヨーロッパのバールのように、ふらっと立ち寄り、人々が交流し、会話を楽しみながら、熱海のローカルコンテンツや文化を楽しめる、そんないわば町づくりの拠点として位置づけられている。
またリノベーションに関わる人材の育成に向けてリノベーションスクールを開催する準備も進めているとのこと。このスクールでは具体的な物件をオーナーに提供してもらい、その再生プランを受講生が策定、そしてオーナーにプレゼンして提案が受け入れられれば実際にリノベーションを行うという内容を想定している。
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