昨年の丁度今頃だったでしょうか。ある企業の役員と話をしていてその方からこう言われました。「野町さん、これから10年位で一番良い商売は物流だよ。トラックと運転手抱えていれば食べるに困ることがないよ」と。
昨年の丁度今頃だったでしょうか。ある企業の役員と話をしていてその方からこう言われました。「野町さん、これから10年位で一番良い商売は物流だよ。トラックと運転手抱えていれば食べるに困ることがないよ」と。
物凄く印象に残った言葉でしたが、実際に昨年から今年にかけて物流逼迫の状況が進んでいるようです。それを実証しているのが各メディアにもあらわれています。1月にはNHKで「モノが運べない!?"物流機器"」が取上げられました。
また最近では日経ビジネスで「物流の復讐」というシリーズで逼迫の状況が記事になっています。2013年のアマゾンショックやそれに続くヤマト運輸の配送料の値上げ要請、今般発表されたヤマト運輸のメール便サービスの中止等々、様々な理由や背景はあるものの物流についてこれだけメディアで取り上げられ、着目されていることは今までにないかもしれません。
今の物流逼迫の原因を一言で言うと「ドライバー不足」です。国土交通省は2015年にドライバーが14万人不足するとの試算を示していますが、はっきりした全体像や実態は把握できていないようです。一方で特に大型トラックの運転手は高齢化が進んでおり、賃金の低さや過酷な労働条件、労働環境が若者のドライバーへのなり手を少なくしているといった状況。
ドライバー不足問題は実は1988-90年のバブル経済当時にも叫ばれていました。
その当時もドライバー不足が物流逼迫につながっており、モーダルシフトや共同配送、返り便の活用などでトラック依存度の低下や積載効率の向上をしていかなければならないと言われてました。しかしバブル崩壊とともにそのような声もどこかに消えてしまったのです。
実際にトラック物流の物量は1975年の62,327百万トンキロから2009年の242,658百万トンキロとコンスタントに量は増えています。(2010年以降は統計の集計方法が変更されたため比較できず)一方で同じ営業用普通自動車の実働率(トラック1台が実際に稼働した日数の比率)と実車率(車両の走行したキロ数にうちに実際に貨物を運んだ比率)を掛け合わせたいわゆる稼働率を見てみると、1975年40.83%から1988年には50.13%と10%程度改善されています。しかしその後は下降、横ばい傾向が続き最新のデータの2013年度では48.69%となっています。
このように荷物の量が増えたり、時間指定配送や小口配送、短時間での配送など様々なサービスが多様化されたりしていることに対して、効率化は殆ど進んでいない状況ですから人手不足が悪化していることも当たり前です。
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2009.02.10
2015.01.26
調達購買コンサルタント
調達購買改革コンサルタント。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルです。