サプライヤモチベーションマネジメントの重要性とその手法について述べています。
昨年末の投稿で私はプチ予言しています。
「・・・新しい日本型調達・購買の方向性が生まれてくることです。私はこれをサプライヤとの「協働」と捉えています。ここでは特にサプライヤとの関係性作りがより重視され優秀なサプライヤをより大切にしていく動きがでてくることでしょう。」
「・・特に特定の業種や品目については供給力不足が叫ばれています。サプライヤの囲い込みや戦略サプライヤ制の導入、サプライヤのモチベーション向上をどうやっていくか、頭を悩ませはじめている企業やバイヤーも少なくありません。このような視点からサプライヤとの関係性を捉え、サプライヤのニーズを把握した上で、本来日本企業が重視し、強みとなってきた「協働」をいかに進めていくか、今後数年間で多くの企業にとって正に重要な視点となってくることは間違いないでしょう。」
「共通するのは「コスト至上主義」からの訣別という点と言えるでしょう。来年は調達・購買分野でもサプライチェーン全体の強化を目指し、一方でこのような「脱コスト至上主義」的な動きが益々出てくることをプチ予言しておきましょう。」
この傾向は昨今益々強くなっているようです。
先日もある企業からこんな相談を受けました。
それは、ある特定の業種でサプライヤ評価を行うソリューションを開発している。しかし、このソリューションは評価を通じていかにサプライヤのモチベーションを高めさせるかということを目的にしたものだそうです。もしくはモチベーションが高いサプライヤを見つけるためにどのような評価をすべきか、という考え方でソリューション開発がなされているとのことでした。
このようなソリューションが必要となった理由としては、この業界の特性として企画提案力がある人的リソースを重要顧客担当として張り付けており、顧客の差別化を図っている業界だからです。つまり顧客重要度がAランクに入らないと如何に大手の企業でも優れた提案が引き出せない状況なのだそうです。逆にAランク顧客に入ることがよいサービスや提案を受けられる条件となります。Aランク顧客に入るためにはサプライヤと協働を進めるための様々な仕組みや買い手企業側の魅力が高くなければなりません。
こういう傾向が売り手企業(サプライヤ)側から出てきていることは注目すべきです。サプライヤから見た買い手企業としての魅力度を上げ重要顧客として捉えてもらうことが、よいサービスや提案を受けるための必要条件になっています。言い換えると「サプライヤモチベーションマネジメント」によりサプライヤのやる気を上げることが買い手企業にとって必須ということです。
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2009.02.10
2015.01.26
調達購買コンサルタント
調達購買改革コンサルタント。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルです。