日本企業がかつては大切にしていた”社員”。いまや世界のフォーチュン100の企業のすべてが社員とその家族を大切にする支援制度や仕組みを導入している。かつての日本企業と同じように。世界の優秀な企業では人事部の役割が大きく変わってきた。2010年までにガラリと変わってしまった。企業も人材も国際競争力を身につけグローバルで戦うためには、人事部の役割を根本的に検討をしてみる必要がある。
人事部の役割は、この数年で大きく変わり始めている。
100 Best Companies to Work For)の人事に関する共通点を探していくと、人事部の役割が明らかに変わってきていることに気づく。
2000年前の人事制度と人事部門の役割と、2000年以降とでは大きな変革がはっきりとわかる。
2000年ごろまでは、その機能の一部、例えば、給与・賞与計算や社員研修などをアウトソース(外部委託)し、管理的な役割から経営目標達成の事業戦略を人的側面でサポートする役割に変革をしてきた。それが、2000年を超えてから、社員一人ひとりに焦点をあててその組織の事業推進や風土変革の役割を担うようになった。2010年ごろから、社員がもっと働きやすく、仕事に集中しやすい職場環境を物理面、物理面だけではすでに2000年以前には実現していたが、さらに、精神面や個人の自己実現を実現させる支援を通して、やる気を引き出しイキイキと元気になれるように、社員一人ひとりの活性化の使命と役割を担うようになってきている。
2015年12月から、企業において社員のストレスチェック義務化が実施されるようになった。しかし、フォーチュン100の企業のすべてにすでにEAP(Employee Assistance Program 従業員支援プログラム)を導入してその実績が評価されトップ100入りしている。ストレスチェックは最低限のプログラムであり、それをはるかに超えている。さらに、ワークライフ・バランスを超えたワークライフ・ソリューションを実現している。すなわち、もっとワークに集中して最高のパフォーマンスが発揮できる仕組みを導入している。
10年前のフォーチュン100に名をあげる企業の人事制度と人事部門の役割を確認して、新たな人事の役割とは何か、を考えていく必要があるのではないか。
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2015.12.04
2015.12.13
戦略人財コンサルタント 代表
人事の役割は、グローバルでは2005年あたりから大きなパラダイムシフトが始まりました。それは、社員の自己実現を達成させる仕組み、制度、支援を人事が行うことです。社員が安心して会社で最大のパフォーマンスを発揮し、それが経営目標の達成、さらには事業発展に貢献できる仕組みを人事が担当する時代になったのです。 人事機能を運用管理するだけの役割は、グローバルの優良企業にはもはや1社もありません。 このような人事の役割の変化と事業の発展は等しく関係しています。日本企業の真のグローバル化、世界で戦う人材のマネジメントを行う人事部門の再構築の支援をさせて戴いております。