新入社員が辞める定説を自らの経験談を交え、 仮説を立てながら、対応策を検討してみる。
もうすぐ新入社員の季節がやってくる。
しかし、近年、せっかく高いコストをかけて入社した若手社員が、
すぐに辞めてしまって困るという話をよく耳にする。
実際に、最近では七五三の法則といわれ、高卒が7年,
専門学校や短大卒が5年,大卒が3年で転職をするという事実がある。
この七五三の法則は概ね正しい数字になっているが、
肝心なのは、なぜ短期間で若手が辞めてしまうのか?
昔と今の違いは何か?ということだ。
真の原因を考察して、上司としての対処を考えたい。
若手社員が短期間で会社を辞めてしまう理由は様々な理由があり、
最近マスコミなどでは、「入社前と入社後のギャップに原因が」という
記事をよく見かける。
しかし、それは今に始まったことではない。
私も1992年に新入社員として1部上場企業へ
入社した後は、新人研修で自衛隊へ連れて行かれ、
入社前とのギャップをホフク前進をしながら痛感したものだ。
(今となっては、あんなに記憶に残る素晴らしい研修はなかったが)
では実際には、どんな理由が考えられるのだろうか?
1996年と2007年に2回転職した私の経験も含め、
現代の若者が早期に辞めるにいたった背景として、
3つの仮説を作ってみる。
第一の仮説は、「欧米文化の浸透による世間の変化」だ。
日本人は、欧米文化への憧れを抱いている点が多く、現在では、
欧米の食品、インテリア、スポーツ、書籍、メディアはもちろん、
ビジネス界でも外資の参入は昔にくらべ増加しているのは歴然としている。
今では当然の知識となっているが、日本以外では転職は恥ずかしいことでない。
転職は、キャリアパスとして解釈されるようになり、
日本文化自体が、転職許容文化になってきている。
つまり、世間が変化しているのだ。昔なら、転職したら恥ずかしいと考え、さらに周囲からは根性無しと思われる不安があった。それゆえ、両親、親戚、友達に対して
後ろめたさがあり、なかなか転職には踏み切れなかった。
しかし、今では転職してもそのような感覚は昔にくらべると稀薄になっており、
むしろ、良いキャリアになるという風潮があるのではないかと思う。
第二の仮説は、「転職の容易化」である。
インターネット・メールの普及で、転職が容易になってきている。
やろうと思えば、100通一斉に履歴書を送れる。
しかし、昔は履歴書と言えば当然手書きで、1枚を作成するのが大変で、1文字間違えれば、またいちから書きなおし。。
インターネットとPCの普及で、どこが中途採用を実施しているかの情報が
すぐに手に入り、社風や条件なども一目でわかる。
履歴書を作る生産性があがったので、候補とした会社へ一斉にメールで
応募できる。この環境の変化で明らかに転職が以前とくらべ容易となり、
より希望した会社へ行ける確率も増えている。
無論、転職した後にそれが成功といえる転職であったかは別の話だ。
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2008.03.06
2008.04.04
株式会社メンター・クラフト 代表取締役社長
http://www.mentor-craft.co.jp/ http://www.mba-noryoku.com/ 大学卒業後、大手エレクトロニクス商社に勤務。その後、IT業界、映像コンテンツ業界と15年間の営業・企画・マネージャー等の経験を経て、 2007年4月に(株)メンター・クラフト設立。 豪州ボンド大学大学院 MBA(経営学修士) エグゼクティブ・コーチ(JIPCC認定) 日本コーチ協会正会員