2008.10.09
サイト解析の落とし穴① 平均滞在時間
上島 千鶴
株式会社Nexal ビジネス戦略、Web戦略コンサルタント
サイトやページの平均滞在時間の計算方法には、落とし穴が含まれています。キャンページ時や広告出稿時に平均滞在時間が極端に少なくなるケースはないでしょうか。よく調べてみると実は、回遊している来訪者のPV数には、さほど変化が無いことが分かります。滞在時間の計測方法の落とし穴について以下に説明します。
「滞在時間の測定方法」
アクセス解析ツールで1ページ当りの滞在時間はどのように計算されているのでしょうか。
例えば来訪者がA⇒B⇒C⇒D⇒×(離脱)と、ページを参照したと仮定します。
リクエスト時間(ページを要求した時間)が以下の時間の場合
ページ : アクセス時間(時:分)
A : 11:00
B : 11:03
C : 11:06
D : 11:12
Aページの滞在時間=11:03-11:00=3分
Bページの滞在時間=11:06-11:03=3分
Cページの滞在時間=11:12-11:06=6分
Dページの滞在時間=?? -11:12=?分
と計算されますが、Dページの次にリクエストが無いためDページの滞在時間は計測できません。
リクエストが無かった場合、最後に参照したページDは離脱ページとしてアクセスログ解析ツールでは処理されます。
(セッションが切れたりした場合も含めて、次のリクエストが無い場合、最後のページを離脱ページと定義して集計しています。)
よってAページ~Cページの合計滞在時間は12分となり、この計測方法はどの解析ツールでも同じです。
この結果から、1ページ当りの滞在時間を計算してみよう。
一般的なツールでは
******************
PV数=4PV(A~Dページ)
滞在時間=12分
1ページ当りの滞在時間=3分
******************
と計測され、1ページ当りの平均滞在時間は3分となります。
「正確な滞在時間の計算方法」
一般的なツールでは平均滞在時間は3分と計測されますが、実際には離脱ページのDの滞在時間は計測できないため、
******************
PV数=4-1=3PV(A~Cページのみ)
滞在時間=12分
1ページ当りの滞在時間=4分
******************
と計算するのが正しいことが分かります。よって正確な平均滞在時間は4分となります。
このことから、解析ツールのPV数と合計滞在時間から1ページ当りの滞在時間を計測する際には、全体のPV数から離脱ページのPVを引き算して計測しないと正確な数字は出ないことになります。
間違った計算方法による弊害は、特にキャンペーンや広告出稿時などサイト全体の直帰率が高くなる時期に起こります。
直帰とは1ページのみ参照して離脱することですが、離脱ページの考え方と同じく次のリクエスト(次のページの要求)が無いため、直帰ページの滞在時間は計測することはできません。
続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。
- 会員登録 (無料)
- ログインはこちら
アクセス解析系
2008.10.12
2008.10.09
2008.10.09
2008.10.09