飛行機に乗った時、キャビンアテンダントに新聞を薦められたら・・・スポーツ新聞が読みたいところだが、 ここは「できるビジネスマン」のフリでもして、「日本経済新聞」なんかを選んだりすることはないか・・・。 男なら、あると思いますっ。
しかしながら、キャビンアテンダントへの私的な取材結果によると、
機内で日経新聞を読むということは、そのヒトは、その時間まで日経をチェックしていなかったと判断される。
「できるビジネスマンには、ありえない!」て、ことになるらしい。
だから機内で新聞を読むなら・・・毎日新聞を読め!
一番後回しに読まれるであろう(私的推測)、毎日新聞をオーダーすると、
「さすが!このヒトは、もうほとんどの新聞には目を通したのね!」となる。
できる男の飛行機に乗ってる時間の実用的な使い方=いろんな情報に目を通すというこなのだ。
「飛行機で日本経済新聞」=できるビジネスマン像の常識は、
実際には、使えない。
我々が描く典型的なイメージには、必ず「実用の穴」があるものだ。
例えば・・・
引越しの際によく見る風景。
新居への搬入作業の前に、
いったん靴下を履き替えてから作業を行うことは、ほぼ常識になったようだ。
引越しの際の汚れた靴下ではなく、
新居に入る時には、まっさらなキレイな靴下で。
ガテン系と呼ばれるこの業界において、
気配りされた良いサービスだと広まった。
しかし、よくよく聞いてみると、このまっさら靴下サービス。
気分だけのものではないらしい。
新しい畳や無垢材が使われた家具に汗をかいた衣服が触れると、
シミとなって残る。
その危険性を回避する実用性があるのだという。
ただのパフォーマンスかと思っていたら、裏には、そんな実用性が。
例えば・・・
某女性向けアダルトグッズ販売の受付コールセンター。
儲かっているものだから、
裏では、凄いシステムと物流が動いてるのだが・・・・
電話の対応は、常に家内制手工業的。
ほんの数人で、受付から発送までやっている、慌ただしい雰囲気を演出する。
女性にとっては、こっそりと注文したいアダルトグッズ。
それを、大企業のように整然と注文を受けられるのも恥ずかしい。
どこかのおばちゃんが事業で始めた感じを
コールセンターの向こうに感じさせるというのは、
そういう女性心理を読んでのことらしい。偉いなぁぁぁぁ。
その顧客管理や物流の部分はシステム化するが、
対応の部分だけは、常にアナログ。
女性にとっては、実に、実用的なコールセンターだ。
整然とマニュアル通りにやればいいというものではない。
日本には、「用の美」という考え方が古くからある。
使われることを目的とした無駄のないフォルム。
そのまじめな美しさを「用の美」と呼ぶなら・・・
さりげなく飛行機の中で、毎日新聞を読むビジネスマン。
実に自然に、新居に入る際に靴下を履き替える引っ越し屋さん。
システムとは無縁な対応の女性アダルトグッズ受注センター。
これらもまた、ビジネスの世界の中で垣間見る「用の美」ではないか。
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2009.11.07
2008.11.19
2008.10.10
2008.07.30
2008.07.17
有限会社ペーパーカンパニー 株式会社キナックスホールディングス 代表取締役
昭和30年代後半、近江商人発祥の地で産まれる。立命館大学経済学部を卒業後、大手プロダクションへ入社。1994年に、企画会社ペーパーカンパニーを設立する。その後、年間150本近い企画書を夜な夜な書く生活を続けるうちに覚醒。たくさんの広告代理店やたくさんの企業の皆様と酔狂な関係を築き、皆様のお陰を持ちまして、現在に至る。そんな「全身企画屋」である。