一時期ロジカルシンキングの研修が流行しました。書籍もすごく売れましたね。今は仕事術がブームに取って代わられた感もあります。ただ、ロジカルシンキングの一番のポイントは一体何なのでしょうか?
技術論はもう体系化されています。本もいくらでも出ています。
この文章を読んでいる人で、MECEや、ロジックツリーを知らない人はいないでしょう。
ただ、技術というのは何のための技術か?というのが一番大事ですよね。
なぜ、ロジックがビジネスに必要なのか?というところが腑に落ちないと、どんなロジカルシンキング研修も無駄だと思います。
私は空手をやっていましたが、空手の技術はなぜ必要なのか?と言えば、「目の前の人間を倒すため」に必要なんです。
当然、天才的な人はいて、ろくに稽古しないのに、ろくに格闘技をやっていないのに、もともと強い、ケンカが強い、というような方もいらっしゃいます。ただ、基本を積み上げて強くなることもできますよね。
そのための空手という技術体系です。
では、ロジカルシンキングはなんのための技術体系なのでしょうか?
それはビジネスにおいて、何をやるか、やらないか?を決めるため、うまく行くやり方を考え、決めるための技術体系ですね。
当然、勘で物事を決めることもできます。なんとなく、これ、という決め方も出来ます。自分が社長ならそうすればいいと思います。
過去にうまくいったやり方だからこれをやる、という決め方もできます。
これをやりたいからやる、という決め方だってできます。
そういう決め方もできますが、それでうまくいく精度は上がりますか?というところがポイントですね。
そりゃ、天才的な経営者は勘で当てます。当たります。まるで、その経営者が言うことを世の中がなぞっていくかのように当たります。
「この神通力が通じなくなったら、俺もそれまでだよ」と言われると、かっこいいなあ、と思ってしまいます。
真似が上手な経営者もたくさんいます。そういう経営者は「情報が全てだ」と言っていることが多いのですが、うまくいったケースをひたすら集めていたりします。そのケースをうまくなぞって成功させる人もいますね。
一番すごいなあと私が思う人は、「俺がやりたいからやるんだ」という人です。そして上手くいってしまう人。
こういう人は、やりたいことをやりたいようにやるが故のエネルギーがすごい気がします。やりたいからこそ、ひたすらやる、というような圧倒的名行動量を感じますね。
それで、タイプはいろいろとあるとは思いますが、物事を決め、うまくいく精度が上がるのか?人に伝えられるのか?組織としてのケイパビリティが上がるのか?というところがポイントだと思います。
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THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役
THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。