最近、「おでん」はコンビニにおける冬の定番商品となりました。 皆様、この「おでん」が一番売れている時期がいつなのか、ご存知でしょうか? 真冬の1月や2月だと考える方は多いのではないでしょうか? 実は、この商品は真冬に一番売れるのではなく、秋の終わりがピークになっています。 では、いったいなぜなのでしょうか? 今回は、「おでん」の売れる時期について、他の事例と比較しながら考えていきます。
冬のコンビニ定番商品となった「おでん」。レジ待ちで前の人がおでんを買っていると、自分も買おうかなという気持ちになったりしますよね。また、帰宅途中に家族から「コンビニに寄るならおでんを買ってきて」と言われるビジネスパーソンも少なくないでしょう。
今回は、コンビニのおでんをテーマに考えてみたいと思います。
おでんが最も売れる時期は、10月や11月頃と言うと不思議に思う人がいます。「冬の定番ならば最も寒い時期に売れるのではないか」という疑問からです。そう考えると、1月から2月が販売のピークになりそうなものですが、そうではありません。
おでんの販売ピークは、最も冷え込んで温かいものが食べたくなる時期ではありません。「ちょっと寒くなり始めた」「体感気温が急に下がった」という季節の変わり目のタイミングなのです。「何となくおでんでも食べたいな」と多くの人が感じるタイミングが秋の終わりの頃なのです。
■ おでんキャンペーンは8月から始まる
その消費者心理をうまく販売につなげようと、各コンビニチェーンは、10月頃に積極的におでんの販促キャンペーンを行います。早いところだと、8月の旧盆過ぎからおでんのアピールを始めて、9月上旬頃にはTVCMを放映したりします。
そして徐々におでんの時期がやってきたことを消費者に伝えていき、一気に10月に売り上げを獲得するような展開をしています。
11月以降の売り上げは、この10月の売り上げの結果に大きく左右されます。10月の売り上げが高ければ高いほど、ピーク後の販売ベースも上がります(グラフを参照)。
冬のコンビニ定番商品となった「おでん」。レジ待ちで前の人がおでんを買っていると、自分も買おうかなという気持ちになったりしますよね。また、帰宅途中に家族から「コンビニに寄るならおでんを買ってきて」と言われるビジネスパーソンも少なくないでしょう。
おでんに限らず、コンビニにおける季節商品の販売ピークは「季節の変わり目」です。原因として考えられるのは、固定客比率の高さです。週1回以上来店する客を固定客と定義すると、コンビニにおける固定客比率は何と約8割にのぼります。
これは、店に足を運ぶ客の大半が店員と顔見知りのような状態です。このため、客はコンビニの変化に飢えています。そこへ季節の変わり目に、普段と違う季節商品が投入されたら…。思わず買ってしまいますよね。
例えば、夏の「冷麺」もおでんと似たような販売戦略を立てます。「梅雨時期の晴れ間に最高気温が30度を超えた日」などが、コンビニにおける冷麺の販売最高記録樹立のチャンスです。
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