なぜ、74年ぶり戦後初の独立系生命保険が生まれたのか(1)

画像: MIKI Yoshihito

2009.04.28

開発秘話

なぜ、74年ぶり戦後初の独立系生命保険が生まれたのか(1)

INSIGHT NOW! 編集部
インサイトナウ株式会社

インターネットを活用し低価格で生命保険を提供するライフネット生命保険。既存生保に対する問題意識から生まれた同社は、ネット専業の保険会社として幾多の障害を乗り越えて事業開始に至っている。規制にがっちりと守られてきた保険業界に風穴を開けた同社の誕生秘話を探る。

第1回 「ライフネットとは何か」

■保険料を半額にしたい

「安心して、若い人に子どもを生んでもらいたい。この思いがビジネスの原点なんです」

少子高齢化に悩む日本の将来を直視した問題意識が、ライフネット生命保険のベースである。とはいえ、引っ掛かるところがないこともない。若い人が子どもを産むことと、インターネット専業の生命保険会社立ち上げにどんなつながりがあるのだろうか。

「人が生命保険を意識するキッカケは何でしょうか。タイミングはいくつかありますが、いちばんには子どもの将来を考える時でしょう。奥さんが妊娠して赤ちゃんが生まれる。ご家族のこれからを考えて生命保険に入る。ところが日本では生命保険料と若い人たちの収入のバランスが、あまりにも釣り合っていない。これは大問題です」

第一子が生まれるといえば20代から30代である。ところが、この年代の世帯あたり収入を年収ベースでみれば30代で約555万円、20代にいたっては317万円しかない。これだけの年収に対して、既存の生命保険に入るとなると多額の保険料を覚悟しなければならない。

「残念ながら今の日本では、20代、30代の子育て世代が一番貧しいのです。だから、おいそれと生命保険に入ることさえできない。それが理由のすべてではないにせよ、そのために子作りをためらう若い夫婦がいたらどうなりますか」

ただでさえ少子化問題が顕在化している日本で、さらに子どもの数が減る。人口減少は経済をはじめ、ありとあらゆる分野にマイナスの影響を与えるだろう。

「人間の歴史を振りかえってみれば、人口が減って栄えた国はどこにもないんですよ。若い世代が赤ちゃんを産んでくれなければ、この国はめちゃくちゃになってしまう。だから保険料を安くして、彼らが安心して子どもを産める環境を作りたいと考えたのです」

                                  
                                                     
                                                        
                                                                
                                                               
                                                   
■保険料を半額にするために

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