毎年新入社員研修にかかわっている中で、年々傾向が高いのが、一様に彼らはプレゼン好きということ。 特に、テーマやビジュアルを委ねて自由演習系でのプレゼン発表などはとっても盛り上がります。
もちろん、業種や職種によって多少の温度差はありますが、
プレゼン慣れをしていることがよく窺えます。
研修内で「発表できる人はいますか?」と尋ねると
手が挙がらないということは皆無です。
しかし、そのプレゼン内容は独創性に欠ける面も多々見受けられます。
学校教育では、テストの点数や宿題の正解率だけではなく
授業中の挙手や質問の数までもが数値化され、
本来の意欲や根気・努力は差し置いて、数字で評価される時代です。
その評価項目に充当した数値的成果を満たすことに慣れている彼らは、
帳尻を合わせることに長けていて、実は深層真理に至っていないことも多いものです。
プレゼン内容も“ソツがない”ものになりがちです。
掘り下げがなく、解釈が浅く、熱さやオリジナリティも希薄で
とてももったいない内容が目立ちます。
レベルが低いわけではないけれど、無難なプレゼンということです。
研修時のグループ演習などでは、
どのグループも似たようなプレゼンになることがしばしばです。
考えてみると、私の高3の息子は、
中学生の時から、学校の授業で頻繁にプレゼンを経験しています。
「クラス内での自己紹介」「将来の夢」「受験用の自己プレゼン」
「英語での地球環境プレゼン」「理系の課題研究発表」
「新入生のための部活動プレゼン」などなど、
最近では学校内にとどまらず、併設大学のホールやパシフィコ横浜など、
不特定多数を対象にしたプレゼンの機会もあるようです。
しかも、彼らは、幼少期から、
ビデオやカメラの撮影に慣れているためか、物怖じしないようです。
そのプレゼン慣れは、彼らの強みでもあります。
そんな彼らの特質を活用するにはどうしたらいいでしょうか?
私は、自身の研修コンテンツに
①学校では教わらない人間力を養う
②多角的に物事を観・捉える思考を鍛える
③自ら課題を見つけそれを克服できる解決策を発想させる
を実現できるよう組むことに努めています。
でも、それよりも何よりも、
「彼らの特質を認識して、自分たちとのギャップを埋めるコミュニケーションの確立」
を日常的に実践していくことが欠かせないようです。
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