私は若い頃から表情に乏しく、 「能面」や、「仏頂面」、「ポーカーフェイス」 などと言われてきたんですよね・・・
別にいつも不機嫌だったわけでもなく、
気取っていたわけでもないんです。
ただ、生来のはにかみ屋で、人前では緊張しがち。
顔がこわばってしまっていただけなんですけどね。
おかげで、
「ぱっと見、近寄りづらい」
とか、
「高飛車な奴」
などとマイナスに評価されてしまうことが
多かったです。
まあ、相応に年を取った最近では、
以前ほどは人前で緊張もしなくなりました。
また3年前から続けているゴスペルのおかげで、
アマチュアながら人前で歌う機会が多く、
自然にほほえむことが少しはできるようになって
きたと思います。
さて、考えてみると、
「微笑み」
は、人間だけが持っている表情ですね。
「そんなことないよ、
うちの愛犬は私に微笑んでくれるよ!」
と反論する方もいるでしょうか。
でも、口角を上げて、
はっきりとした微笑みの表情を作れるか
という点で言えば、人間だけができる表情です。
では、微笑みはどんな効用を持っているのでしょうか?
先日放送されたサイエンスゼロ(NHK)でも、
このテーマが取り上げられていましたが、
微笑みの起源は、チンパンジーなどの霊長類に見られる
「グリメイス」=劣位の表情
だと考えられているそうです。
「グリメイス」とは、
口を開けて歯を見せる表情です。
これは、ボスザルのような上位のサルに対して、
あなたに逆らう気はありません、服従しますと
いう意思表示です。
つまり、グリメイスによって、
サルは、相手よりも自分がへりくだっていること
を相手のサルに伝えるのです。
そして、人間の場合、
グリメイスが「ほほえみ」に進化しました。
ですから、人間における「ほほえみ」もまた、
自分をあえて下位の立場に置くことで、
敵意のないことを示し、
相手の警戒感を解くことのできる
「ボディランゲージ」
言い換えると、
「言葉以外で伝えるメッセージ(メタメッセージ)」
の役割を果たしているんです。
しかも、人は相手の表情を無意識に
真似てしまう性質を持っています。
ですから、こちらがほほえみかけると、
相手思わずほほえみんでしまう。
(逆にこちらが硬い表情をしていると、
相手の表情も硬くなってしまうのです)
こちらがほほえむと相手もほほえみ返す。
ほほえむことは気分的に心地よいものです。
ほほえみあうことで、
いい雰囲気が漂い、お互いに対する親近感
がぐっと増すとというわけ。
営業マンや接客サービス従事者の場合、
自然なほほえみの表情がとても重視されますよね。
それは、「ほほえみ」が相手と自分との壁を
一瞬にして消してくれる力を持っているから
なのです。
あ、そうそう。
人以外に唯一微笑むことのできる動物が
いるのを忘れていました。
鴨川シーワールドのアシカくん。
あれは、「ニタリ」という感じの微笑みですけどね。
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2015.07.17
2009.10.31
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー
これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。