先日の記事で、東海大学教授、 小泉眞人氏が提唱されている 「広告リレーション理論」 をご紹介しました。
当理論の核となる考え方、
それは、「広告」には
・プロモーション
・コミュニケーション
・リレーション
の3つの役割があるということでした。
実は、広告に上記のような
「3つの役割」
があるというのは、
マーケティングの本質(顧客の創造)が
わかっている人には、ある意味
「自明の理」
です。
しかし、なぜ改めて
「リレーション理論」
として明快に規定する意義があるのかというと、
近年は、広告の役割が短期的に売上げにつなげるための
「プロモーション」(=販売促進)
に偏りすぎているからだと言えます。
同様のことは、
「ダイレクトマーケティング」
についても言えるのではないでしょうか?
ダイレクトマーケティングとは、
文字通り、マスメディアを介在させず、
顧客・見込み客にダイレクトにアプローチ
する方法です。
具体的には、
・ダイレクトメール(郵便や宅配利用)
・ダイレクトeメール(PC、携帯)
・テレマーケティング
・Webサイト(主にログイン後のカスタマイズページ)
などがコミュニケーションツール
として用いられます。
さて、基本的には
「ブランディング」
を重視してきた「広告」と違って、
「ダイレクトマーケティング」は、
販売につなげること
が主目的であり、
「販売促進施策」
のひとつとして
位置づけられてきています。
ダイレクトマーケティングは、
マスメディアを用いるよりも高コストでもあり、
短期的な「刈り取り」(=販売)
を重視するのは当然のことではあります。
しかし、現実には、
ダイレクトマーケティングでも、
「ボールの壁投げ」
にたとえられるような、
一方的な情報提供のみに終始した場合、
短期的にはともかく長期的な視点では、
売上拡大・維持はできません。
簡単な話、毎回届くメールの内容が
「こんな商品でました」
「この商品買ってください」
ばかりだったら、
受け取る側としてはいやになりますよね。
初回購入時はともかく、
自社の売上のことしか考えていない
ことがバレバレのメールが続いたら、
郵便にしろeメールにしろ、
ゴミ箱
直行です。
一方、ダイレクトマーケティングを
活用して長期的な成功を収めている企業は、
ダイレクトマーケティングの役割を
「プロモーション」(認知・説得)
だけに限定せず、
「コミュニケーション」(理解・共感獲得)
「リレーション」(相互の信頼形成)
の役割も重視しつつ、
ダイレクトマーケティングを
展開しているのです。
今回は、3つの役割をうまく組み込むことで
成功しているダイレクトマーケティング
具体事例をひとつだけご紹介しましょう。
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2009.11.17
2015.07.10
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー
これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。