自虐CMに学ぶ!不況時の効果的な広告法

2010.01.18

営業・マーケティング

自虐CMに学ぶ!不況時の効果的な広告法

片桐 かほり

自虐CMといえば思い出されるのが 「うーーん、不味い!もう一杯」 のキューサイの青汁CMでしょうか。 今の青汁はそこそこ飲める味になっていますが、出始めの頃の青汁は青臭さが口いっぱいに広がりとても飲めたものではなかった。しかし欠点を認めた、という潔さに多くの人々は好感を持ち、そのCM効果は絶大なものがあったとされます。

最近流れている全薬工業株式会社・総合感冒薬「ジキニン」の自虐的CM

※全薬工業株式会社のWEBサイトによると「お店で岡江さん」編というらしい

彼女「ねえ、ジキニンはどう?」
と咳き込んでいる彼にジキニンをすすめる。

彼「でも地味だな。。。」
明らかに悩んでいる様子。
パッケージが地味なので、効き目に不安を覚えているようだ。

岡江久美子さん登場
「ちょっと!ジキニンの良さ 分かってないの?」
「ねえ★」
と私たち視聴者に同意を求めると同時に、ジキニンをプッシュする

♪♪ 優しくしっかり効くジキニン ♪♪

そこで改めて認識する。
確かにジキニンのパッケージは地味であると。

くすんだマスタードのような黄色
大人しい茶色
白抜き文字
デザインも何か印象に残るものはない

そういえば風邪薬の中でもスコブル地味であったことを思い出す。

黄色は本来非常に視印性の強い色であり、やたら目立つ色ではあります。

バーゲンなど大安売りの広告には必ずといってよいほど黄色×赤を使ってあり、ひと目で

「何かが安くで売られている」

と認識できます。

しかしこのようなときの黄色は鮮烈な原色系の黄色です。
ジキニンはこの手の黄色ではありません。

※ジキニン・エースという種類のパッケージは赤を使っていて目立つようにはなっていますが。

折角なので他社の風邪薬パッケージを調べてみると、

原色系赤×ゴールド
鮮やかな朱赤×原色系黄×白
冴えた濃い青×ゴールド
冴えた濃い青×白
など、いずれも非常に目立つ配色です。

「私があなたの風邪を治します!是非私を買ってください!」
というたくさんの熱い自己アピールがパッケージから聞こえてきそうです。

なるほど、これではジキニンは目立ちませんね。

正直な話、私は一度もジキンンを購入したことがありません。
やはりパッケージのインパクトの弱さが一番の理由です。

風邪を引いて具合が悪くなったときは、とにかく即効でよく効く風邪薬を選択しようとします。そんな時に目に飛び込んでくる風邪薬のパッケージは必ずと言ってよいほどインパクトのあるものです。

この段階で地味なジキンンは不利な立場に追われてしまいます。

そして最終的に強烈な第一印象をもった商品数点の中から、最も効き目の高そうなものを選びレジへ直行します。

はい、お買い上げ!

ほんの数秒間ですが、競合商品達は各々の見栄え(パッケージのカラーやデザイン等)という武器をもって購入してもらうために熾烈な戦いを繰り広げるのです。

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