タイトルだけだと、ジョージ・オーウェルの「1984年」を想起され、恐ろしい話かと思われたかもしれません。いえいえ、環境負荷の削減に非常に貢献しそうな面白い話をご紹介します :)
大和ハウス工業株式会社が、異なるメーカーの家電製品・設備機器を共通でコントロールすることができるソフトウェア「住宅API」を開発し、これを用いて、米国Apple Inc.(アップル)社のiPhone(アイフォーン)の携帯アプリで住宅内の各メーカーの家電や照明などの住設機器を操作できるソフトウェアを開発したとの事です。(出所:同社ニュースリリース)
つまり、家電、住設機器メーカの協力が得られれば、アイフォーン一つだけで、エアコンの温度設定や、TV、照明などのオン、オフができてしまうのです。
これが実現すれば凄くないですか?
確かに、これまでもメーカを超えた共通リモコンはありましたが、AV機器のみへの対応や、共通リモコンそのものの購入が必要といった事が壁になってか、あまり普及していないようです。
その点、携帯電話のアプリとして、携帯に新たに機能を持たせる形であれば、追加のリモコンを購入する必要がなく、普及の壁を一つ減らせます。たとえば、株式会社jig.jpは、同社が提供する携帯電話でPC用サイトが見られるjigブラウザ上のプラグインとして、テレビ、DVD、照明、エアコン、ゲーム機のPS2など、様々な家電に対応した携帯用アプリを提供しています。
こうした携帯アプリが普及すれば、家電、住設機器メーカも、個々の機種ごとにリモコンをつける必要がなくなるのではないでしょうか。家庭にあるすべてのリモコンが、既にある携帯電話に置き換われば、それだけ利用する資源を減らせます。また、リモコンの中には、それぞれに電池が入っていますので、これらの資源の利用も減らせます。
リモコンを欲しくて家電、照明を買う人は一人もいません。むしろ、DVDを見る時に、TVをTVのリモコンで付け、DVDのリモコンに持ち替えてDVDを操作するといった個々の機器毎に、それぞれのリモコンを操作しなければならない事にわずらわしさを感じてる人が多くいるのではないでしょうか?
ここは、家電、住設機器メーカの中から、個別の機器のリモコンをやめる英断をする所が出てきて来る事が望まれます。こうした携帯アプリとタイアップし、それを主とし、望む人にだけ、自社のリモコンを配布するという会社が出てくれば、リモコンを無くす動きが一気に加速するものと思われます。
リモコンが携帯電話に置き換えれば、リモコンをなくして困るという事もなくなります。リモコンを無くしても、携帯を無くす人は少ないですし、管理しなければならない数が、数個以上から一気に1個に減るのですから。
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株式会社 戦略調達 代表取締役社長
コスト削減・経費削減のヒントを提供する「週刊 戦略調達」、環境負荷を低減する商品・サービスの開発事例や、それを支えるサプライヤなどを紹介する「環境調達.com」を中心に、開発・調達・購買業務とそのマネジメントのあり方について情報提供していきます