米国には購買研究機関がある、という事実

2010.04.08

経営・マネジメント

米国には購買研究機関がある、という事実

野町 直弘
調達購買コンサルタント

米国にはCAPS Researchという購買専門の研究機関が存在します。アカデミックな活動をしている機関であり、このような機関が存在することも驚きです。

先日、購買ネットワーク会のメーリングリストで、
懇意にしている購買コンサルの方が、
米国の購買関連の情報ソースについて面白い記事を共有してくださいました。

そのサイトとは異なるのですが、
私も時間がある時によくチェックしている米国のWebサイトが
CAPS Researchという米国の研究機関のサイトです。
http://www.capsresearch.org/

ここは
”A Global Research Center for Strategic Supply Management”と称した
調達・購買(米国ではSupply Managementといいます)の専門の研究機関です。
元々はISM(Institute of Supply Management)という
米国の景気指数を定期的に発表している全米供給管理協会と
アリゾナ州立大学が共同で立上げた研究機関です。

また数多くの企業がスポンサーとなっています。
現段階でのスポンサー企業リストでは
3M、ロイヤルダッチシェル、レイセオン、アムジェン、エクソンモービル、
ペプシコ、メルク、AT&T、アメリカンエクスプレス、USポスタルサービス、
デル、IBM等々、著名な企業が名を連ねています。

Webサイトは2種類に分かれており
スポンサー企業のみ参照可能な”ナレッジセントラル”と
会員登録すれば閲覧可能な”リサーチパブリケーション”サイトがあります。

誰でも閲覧可能なサイトであっても様々な情報を入手することができます。

例えば
「Supply Management Performance Benchmarking Report」という
レポートでは、各企業の購買組織の形態、全従業員に占める購買人員比率、
購買部員の仕事内容、過去2年間での人員増減、売上に占める支出比率、
購買部員一人当たりのオペレーティングコスト、
購買部員一人当たりの支出金額および管理金額、品目別の支出金額の比率、
サプライヤ数の増減の状況、サプライヤ評価の採用項目率等々です。
このようなレポートが業種別に整理されています。

弊社でも毎年日本企業に対してアンケート調査をやっていますが、
調査業務だけに特化している訳でもありませんし、
ここまで継続的かつ大規模に調査を行っており、
それに各企業が協力している状況は驚くべきです。

また、他にも「リバースオークションの活用状況調査」や
「印刷物の価格調査」等の調査ものの他、フォーカススタディと呼ばれている
かなり分厚いレポートなども多く発行しています。
レポートにはその時々の先進的なテーマが取り上げられており
最新のテーマとして取り上げられていたのは
「The Role of Optimization in Strategic Sourcing」という
ソーシングにおける最適化エンジンの活用をテーマにしたものです。

このように米国の先進的な情報は日本からも取ることができるのです。
是非参考にしてもらえればと思います。

また、私は日本でもこのような活動の一端を弊社や
私自身が担えればいいのにな、と以前から考えていました。
そのためには皆さんのご協力が必要になります。
まだまだ力不足ですが今後も皆様方と一緒に
購買関連情報を共有していければと思っています。

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野町 直弘

調達購買コンサルタント

調達購買改革コンサルタント。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルです。

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