2010年の新入社員は「ETC型」だそうですが、就職氷河期を経験している側からすれば、きっとスキルアップを急ぎたいという気持ちを持っている方が多いのではないかと思います。
新入社員の頃を振り返ると、何もできずに上司や先輩に迷惑をかけながら無駄な反発もしながら、自分なりに働きたいと思い続けてもがいていたように思いますが、結果的には2年しか在籍しなかった新卒入社の会社での働き方が今の自分の仕事人生を決めているように感じています。
もし日本経済に活気と余裕があって、会社にも良い雰囲気があるならば、スキルアップを考えるよりも社内でのキャリアアップを考えて、周囲とのコミュニケーションに基づいた働き方ができると思います。
しかし、そこは就職氷河期(のような就職活動)を切り抜けてきた今の新入社員ですから、なかなか安心することはできないかもしれません。(私自身の経験や4月に入社した就活支援をした学生さんたちの話を踏まえて、そう思うだけかもしれませんが…)
そこで、もし自分自身のスキルを高めたいとどうしても考えてしまうのであれば、無駄に資格取得に動く前に、ビジネス・アドミニストレーション・スキルを高めて頂ければと思います。
ビジネス・アドミニストレーション・スキルとは、仕事を進めていく上で必要とされる、基礎となる運用スキルと言えば分かりやすいでしょうか。
電話のかけ方、受け方。PCの使い方。メールや手紙の書き方。マナーや会社独特の商習慣への対応など、仕事をする上で必要とされる社会人としての基本的な能力を指します。
当社で、無料公開しているノウハウの中に「議事録作成」スキルがあります。
こちらのサイト【 http://gijiroku.enna.co.jp/ 】で公開しています。
※本コラムサイトに公開するにはボリュームが大きすぎるため別の場所で公開しています。
当社が公開しているマニュアルというと「解雇マニュアル」や「規程の作り方」のようなマニアックなものばかりですが、コンサルティングを提供しているため、短期間に業務を片付ける手段についてもできるだけまとめて公開するようにしています。
どうしても、資格取得やスキルアップの研修に通いたいと思う気持ちがわきあがってくることもあるかもしれませんが、入社3年目までは自己投資は時間投資を中心にして、あまりお金をかけない方がいいのかなぁというのが個人的な感想です。
再就職を支援していると感じることとして、社内認定資格や業務に関連する資格は積極的に取得して頂いた方が良いのですが、業務と関係ない資格をいくらたくさん持ったところで、社会的には評価しにくいものでもあります。
大手自動車メーカーでさえ、社内業務の効率化のためにパワーポイントの使用を減らしている状況ですから、「自分の仕事を良く見せる技」を身につけるよりは「自分の仕事を正しく伝える技」を持って頂いた方がよいかと思います。
決して資格取得が良くないわけではないのですが、まずは一生使える仕事の業を身につけるところから始めて頂いてもよいのではないかと思います。
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2009.10.27
2008.09.26