子どもたちは太陽が大好きです。 だから、子どもを相手にする先生は明るい方が良いんです。
私は、公立中学校、学習塾の教師を20年以上経験して、教壇でカッコよく変身する教師をたくさん見てきました。
たとえば、教師仲間内では、おとなしく、口数が少なく、一言で言ってしまえば、「暗い」性格の先生が、教壇に立ち、黒板を背にして生徒を前にすると、元気で明るく楽しい先生に変身するのです。
教壇で変わる“仮面ライダー先生”を見て「これぞ、プロ!」と何度も感動した覚えがあります。そして、実は、このような先生は生徒からの評判が極めてよいのです。ですから、若い教師の研修指導では、良く先輩指導者から「役者になれ!」「大きな声で、元気に話せ!」と檄が飛ぶわけです。
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先日、ある学習塾で、模擬授業を見学しました。その中に、教師の基本である元気さ、明るさがなく、小さな声でブツブツと授業をする先生がいました。
「元気に大きな声で授業をやってください」と伝えると元気のない声で「ハイッ」と返ってきました。
そこで、私は、「今の元気さ、声の大きさは、10点満点で何点つけられる」と聞きました。
彼は、「5点です」(ここで他の見学者から笑いがでてきました。)
次に、「10点で今の内容を話してくれる」と頼みました。
やってもらった後に「何点でした?」と聞くと「7点です」と返ってきました。
私は、この問答を、その先生が「9点!」というまで繰り返しました。先生は、最初とは雲泥の差の授業ができるようになってきました。
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模擬授業後、先生とこんな会話をしました。
私「5点の時と今の9点では、君の中で何が変わったの?」
先生「大きな声を出そうと意識しました」
私「他には?」
先生「生徒一人ひとりを見ようとしています」
私「他には?」
先生「胸を張りました」
私「他には?」
先生「手や身体を動かすようになりました」
私「他には?」
先生「ありません」
もう読者の皆さんも、お気づきでしょう。私たちは、元気な状態をいつでも作り出せることができるのです。よく言われることですが、子どもたちは太陽が大好きです。だから、子どもを相手にする先生は明るい方が良いんです。先生と同様周りに影響を与える人には、自分で自分の元気を作り出す方法を是非とも知っておいてほしいものです。
元気を引き出す要素は、人それぞれ特有です。今回の例先生は胸を張ったり、大きな声を出したり、生徒を見たり、身体を動かすことで、自分の中の元気を引き出す可能性があることを発見したのです。
彼が、元気を出そうと決断した時は、この要素を総動員させればいいわけすね。
さあ、『あなたが元気な仮面ライダーに変身するきっかけとなる要素は何でしょうか?』
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2015.07.17
2009.10.31