「モンスターペアレント」ならぬ「ヘリコプターペアレント」という言葉が最近メディアをにぎわせつつあるようです。 このヘリコプターペアレントとは?
まずは「ヘリコプターペアレント」の説明から。
この言葉は、「もう大人にならなければいけない年頃の子どもに、普段は上空で旋回しつつも、常に子どもを監視しており、子どもに何かあると急降下、様々な介入をし始める“過干渉”な親のこと」だそうです。
では、なぜ最近メディアでちょくちょく見かけるようになったのでしょうか?
…ヒントは「10月1日から一斉にスタートするもの」と関係があります。
答えは「就活」「シューカツ」にちょくちょく出てくる親だから。
※リクナビを始めとする、様々な就活サイト(といわれるもの)の2012年版がオープンするのが、10月1日。
したがって現在は、大学3年生の10月1日をもって「就活スタート」と言われることが多いのです。
ヘリコプターペアレントの例を、『週刊東洋経済』11月13日号から引用します。すべて人事担当者の声のようです。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
・うちの息子におたくの業界の仕事はさせない!」と親から辞退の連絡をもらった。
・本人が学内説明会に用事で来られず、代わりに保護者が参加。就職相談に乗ったことがあった。
・面接で落とした際に、電話で理由を聞かれたり、30分くらい愚痴をこぼされた。
・さあ内定だというところで、親が「この業界に行かせるために大学へやったのではない」と、自分の行かせたい業界へ就職させた。
・親が公務員の場合、子へのアドバイスが不的確な場合が多い。「定時に帰れないのは優良企業ではない」、営業手当やみなし残業代が支払われていても「残業代が出ないのはおかしい」、「休日出勤があるのはおかしい」…。
・試験で落ちた学生の親から電話。息子自慢を延々と続け「こんないい子なんです。なのにどうして落ちたの?」と。
・規模が小さく世間的に無名という理由で親の反対にあい、辞退に。一般消費者向けに仕事をしていない企業のことをすべて排除するような判断には、正直辟易した。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
このほか「多数」として「親が反対して内定を辞退させた」「親の希望でUターンを押し付ける」も(もちろん!?)挙げられています。
「極端な例でしょ、ダイヤモンドの例は」と思われる方、いらっしゃるかもしれませんが…
ほぼ同じ例、僕自身、キャリアカウンセラーの方、学生の方、大学に勤務されている方…などから、伺ったことがあります。つまり「フツー」の例なんです。
「親のための就活セミナー」も、どんどん普通化しています。
これらの記事だけを見て、「相変わらずの親の過干渉ぶり…」と、一方的にあげつらうつもりはありません。
どんな親でも不安はありますし、ましてや点数で分かる学力とは違い、なぜ合格するか、不合格になるのか、が曖昧な面接は、落ち続けると不安が増幅、つい干渉したくなるんだと思います。
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