「人の心理を的確に読む力」とは、要するに、「マインドリーディング」のことなんですが、今日は、あえて説明的な表現にしてみました。 *ただし、「マインドリーディング」は、製品やサービスの「消費行動」に関わる心理を主な対象にしています。
それで、「人の心理を的確に読む力」を高める一番の方法は、結論から言うと、
「自分自身の心の動きを日々、客観的に観察すること」
です。私たちは一日の中で、うきうきしたり、気分が滅入ったり、イライラしたり、不機嫌になったりと、常に気持ちが揺らいでいますよね。
その時、そうした感情にどっぷり浸ったままでいるんじゃなくて、「自分はなぜ、今こんな気持ちになってるんだろう? きっかけはなんだろう?」とちょっと引いて、今の気持ち・気分の理由・原因を考えてみるのです。
「上司に叱られたからガックシ」あるいは、「彼氏・彼女からメールもらってウキウキ」みたいに理由・原因がはっきりしている場合もありますが、はっきりしないこともあります。
例えば、ある店ではなんとなく居心地がいいと思っていて、よく考えてみたら、大好きな曲がBGMでいつも流れているから、という理由に気付くことがあります。あるいは、なんとなく心が落ち着くのは、間接照明が使われていて、明暗のコントラストがほどよいから(だろう)という理由を発見することもあるでしょう。
上記のような理由・原因が本当に正しいかどうかはそれほど重要ではありません。大事なのは、「なぜか?」と考えて、なんらかの仮説を導き出してみることです。
私たちは、普段のおだやかな感情・気持ちの変化にただ流されているだけで、いちいちその理由を考えることはまずしませんよね。(めんどくさいし、疲れちゃうからですね)
でも、消費者心理をより的確に理解できるようになりたいマーケターは、がんばって自分を観察対象にしなければなりません(笑)
自分自身(の心理)を観察することは、「内観法」と呼びますが、お金も時間もほとんどかかららず、いつでもどこでもできる、このトレーニング方法にぜひ取り組んでみてください。
そして、内観法によって導き出した仮説がどの程度正しいかを検証するためには、さまざまな心理学説を学びましょう。先日ご紹介した、「カチッ・サー理論」などは、まさに、仮説導出に活用できるツールなのです。
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2011.02.18
2015.07.10
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー
これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。