たこ焼きチェーン「築地銀だこ」を展開するホットランドが4月下旬、渋谷に全国各地の料理や地酒を楽しめる「B級グルメ村!ギン酒場」の3号店を渋谷に出店するという。
1号店は銀座に「立ち飲み酒場」として今年1月にオープンした。(ニュースリリース)
→ http://tinyurl.com/4fg3z5f
2号店は新橋に同じく立ち飲みながら、「トレーラーハウス」4台を利用した店舗を3月22日に開店予定している。(同)→ http://tinyurl.com/4zs6yul
そして、4月下旬に渋谷に進出する3号店は、5階建てのビルを「1棟借り」しての展開となる。19坪の狭小立ち飲み店やトレーラーハウスと異なる3号店は、明らかに今までと異なる戦略を採っていると思われるが、その真意はどこにあるのか。
3月18日付・日経MJの記事によると、撤退した居酒屋のあとを“居抜き”で活用したということだ。5フロアの総面積は約180平方メートル。大きなビルではないが、1・2号店とは規模もコンセプトも違う。
「1階はシークアーサーやマンゴーなど各地のジュースでウィスキーを割ったハイボールが楽しめる。2階はマッコリにご当地焼酎を入れて楽しめる。3階は地酒や次章中型の閉める店とし、4階は宴会ができるようコース料理なども揃える。5階は厨房だ。」(日経MJより)
戦略意図の1つは、「B級グルメ」という1つのコンセプトでビル1棟をくくって、「館」としての魅力を打ち出すことに間違いないだろう。
流通業の例でいえば、「館づくり」は駅ビル「ルミネ」の得意技だ。ルミネといえば、2011年秋に有楽町マリオン「西武」跡に新店をオープンさせることで話題になった。若年女性層をターゲットに多くのテナントに1万円以下の商品を数多く取りそろえて集客し、高い商品回転率で稼ぐモデルを確立させ、「主力の新宿ルミネの1平方メートル当り売上高は約237万円で、西武有楽町店の2.7倍も売れている」(2010年11月11日付・日本経済新聞)という。
ホットランドの「ギン酒場3号店」も同様に、「B級グルメ」というコンセプトの魅力で「館」を作り、B級グルメならではのコストパフォーマンスのよいフードメニューで集客し、さらにフロア毎に異なる目玉となるドリンクメニューでリピートを促すという意図だろう。
日経MJの記事について、Twitter(ツイッター)で紹介したところ、多くのフォロアーから「行ってみたい」という主旨のレスポンスがあった。「館」の魅力は十分だといえる。さらに同店ならではの客の回転率のよさが収益に貢献するはずだ。
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2012.09.24
2015.01.27
有限会社金森マーケティング事務所 取締役
コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。