モチベーションアップには、「こうなりたい」と思えるロールモデルを設定することが近道。 フィクションの漫画や小説は、ロールモデルの宝庫です。
若手のビジネスパーソンから、「どんな本を読んだらいいですか?」とよく質問されますが、私は「仕事に活かしたいなら、ビジネス書だけでなく、あらゆるジャンルの本を読みなさい」と答えます。
ビジネス書は万能でない
1.ビジネス書は過去の成功体験
ビジネス書に書いてあることは、誰かが既に実践した過去の成功体験であり、ビジネス環境が大きく変化する現代においては、従来の理論では解決できない難問が多々ある。
2.木を見て森を見ず
例えば、ソーシャルメディアによる顧客の消費行動変化について考えるときには、技術的な視点からだけではなく、心理学や行動経済学、社会学など様々な視点から考察しなければなりません。
最近のビジネス書には、現象の一部だけをピックアップしたものが多く、本質的な理解に役立つものは限られている。
3.和訳に注意
翻訳されたビジネス書(特にマーケティングや行動経済学)を読んでいると、「著者が伝えたかった内容を正しく翻訳できていないのでは」と感じることが多々ある。
どんな本でも仕事に役立つ
私は「情報オタク」で、新聞は毎日3紙に目を通しますし、書店などで気になる書籍があれば必ず購入しますし、ビジネス書ももちろん読みます。ただ、私の場合は、「本を読む」というより「本で考える」と表現するのが適切かもしれません。
たとえば、最近だとニーチェの『道徳の系譜』を読みました。1ページで1時間くらい考え込んでしまうこともあり、一回で理解できなかったところは、何回も読み直ししました。考えさせられるような本だと記憶に残りますし思考を鍛えることができます。
また、漫画や小説もたくさん読むようにしています。そういった本は、仕事には直接役立たないと思われるかもしれませんが、私は役立つと思います。
ビジネスパーソンにとって、消費者がどういう欲望を抱いているか、それを満たすものが何であるかを知ることが大切です。
しかしながら、欲望は性別や年齢で全く異なっており、若い女性が必死でダイエットしたり、高価なブランドバックを好きな理由が私にはわかりません。
そういう女性の心理を知りたければ、少女マンガが最も手軽で効率的な教科書です。
漫画でモチベーションの向上
「こんな人になりたい」というロールモデルを設定することが、モチベーション向上のカギです。
ビジネスマンにとっての、ロールモデルとしては、本田宗一郎氏や、稲盛和夫氏などが筆頭にあげられるでしょうが、実在しない人物をロールモデルにすることもできます。
『キャプテン翼』という漫画をご存知でしょうか。この漫画の影響は日本だけにとどまらず世界中におよんでおり、世界的な名選手では、ジダンやロナウドなどが、キャプテン翼の影響でサッカーを始めたという。サッカー少年にとっては、大空翼がロールモデルだったのです。
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2009.10.27
2008.09.26
籔 孝昭
AllAbout ガイド
金融機関で新規事業の立案や子会社の設立など企業経営全般に携わるとともに、大学や企業で「論理思考」や「マーケティング」に関する講義を行う。そこで、企業が求める人材と学生のギャップを目の当りにして、教育業界に転進。