2011年度の小学校英語活動導入に続き2012年度は中学校の学習指導要領が大改訂で英語学習にはこの100年で一番大きな改革と考えられる変化が起こります。この変化に対応できる教員の養成が急務であり、それを学校現場だけに任せていては、近い将来に大きな損害を被ることになるでしょう。その変化に対応できる英語教師の指導技能には何が必要かが具体的に取り上げました。
来年は中学学習指導要領の改訂の年です。
今回の改訂は英語教育にとっては明治後半以来の大改革と考えても良いでしょう。それは、義務教育を終えた段階では外国語である英語の基本的な知識と基本的な運用力を身につけるということを前提としているからです。
言い換えると、中学校を卒業した段階で、英語の「聞く」「話す」「読む」「書く」という4技能と「ジェスチャー」などの戦略的能力をバランスよく使って、同年齢の人々と英語で意見交換ができる英語力を身につけるということです。
教科書をしっかりと理解する、学校文法をマスターするということだけではなく、また、検定試験で望まれる「級」を取るというここだけでなく、言語である英語を使って、Webなどのメディアも含めて、世界の同年代の人々とコミュニケーションが取れるということが目的になっていきます。その初年度として用意されたのが2012年から施行される学習指導要領であると考えられます。
世間一般やマスコミは難度の上昇を示すために、具体的な語彙数増加など、ボリュームの増加や教科書のページ数増加や授業時間数の増加で表現していますが、それは全て質的な難度の上昇を量を表示することで示しているだけであって、本質ではありません。本質は以下のようなことと考えます。
〔質の向上〕
学習内容…
「日常会話を土台とした『話す・聞く』コミュニケーション主体の内容」が「『聞く・話す・読む・書く』の4技能を身につける内容」へと質が変化します。
教科書内容…
会話からエッセイや論説文までカバーする内容になっています。多様な文章や文章の内容をより正確に伝えるために必要と考えられる文法項目はこれまで高等学校で登場してきた項目も中学校で紹介することができます。例えば、これまでは「歯止め規定」によって排除されていた関係副詞、未来完了形、現在完了進行形などが登場します。
さらに、コミュニケーション力という要素に落とし込むと以下の項目も重点ポイントだと予測されます。
1.英語らしい発音の重視(本来は小学校へ移行させたい領域)
2.日常会話力など話す力と聞き取る力の強化
3.プレゼンテーションなど発表力の体得
4.英語読解力と記述力そして総合的な英語運用力の強化
5.言葉を正しく運用するために文法力の強化
では、これらの内容は時間数と教科書の内容を増やすことで解消するのでしょうか。否、教材はそれらの項目を文字や例として掲載することはできても、それで生徒が学ぶことができるわけではありません。音や基本表現に関しては、小学校英語活動でカバーをしようとしていますが、それも現実には全くと言って良いほど標準化された英語指導が実行されていません。逆に英語嫌いを作り出しているという報告も上がってきています。
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