受験シーズンが終わると発表される塾の合格実績。よく見てみると塾によって発表方法が異なっています。
首都圏より一足先に私立中学入試がスタートした関西エリアでは、各塾が主要校の合格実績をホームページで発表しています。
私立中学を受験する受験生・保護者にとって、各塾の合格実績は塾選びの重要な基準となっており、中学受験をしたご家庭にアンケート調査(有効回答数:485)を行なったところ、約8割の保護者が合格実績によって塾を選んだと回答しました。
しかし、塾・予備校によって合格実績の発表方法はバラバラなため困惑されている方が多いのではないでしょうか。
塾の合格実績の発表形式(アピールする項目)は、2つのタイプに分けることができます。
最もポピュラーな発表方法は「合格者数」
「合格者数では塾の規模に左右される可能性があるから、塾の優劣(塾の指導力)を判断することができない」という意見があります。しかし、塾は学校とは違い、生徒数の定員や学区は法令等で制限を設けられていません。すなわち、生徒は自由に塾を選ぶことができるのです。こう考えると、評判のいい(生徒のニーズに応えている)塾には多くの生徒が集まるわけですから、合格者数で塾の実績をはかるのが妥当と思われます。
一部の塾が発表している「合格率」
一部の塾がアピールしている「合格率(合格者数÷受験者数)」や「生徒の○人に1人が難関中学に合格」といったものは参考程度にとどめておくべきでしょう。
ほとんどのご家庭が、受験校の決定に関して塾のアドバイスを参考にします。受験チャンスが限られている中学受験では、多くの塾では生徒および保護者が後悔しないように、合格可能性が極端に低い場合を除き、受験校は生徒・保護者の希望を尊重します。
しかし、合格率をアピールしている塾では、合格可能性が極端に低くないにもかかわらず受験を認めないことが起こるかもしれません。一見、その塾の指導力を現しているように思われる合格率ですが、合格率の分母である受験者数には、恣意性が含まれる余地があることを覚えておきましょう。
そもそも合格率をアピールしている塾の多くが、合格実績が好調だった頃には合格者数のみを表示していたことを考えると、合格率のアピールは苦肉の策なのかもしれません。
また、合格者数・合格率を全く発表せずに、「生徒の多くが全国模試でトップクラスの成績」などとアピールしている塾もあります。このキャッチは興味をひく内容ですが、全国模試の受験者レベルや受験者数が分からないことには評価をすることができません。
開成中学や灘中学などの全国でも最難関中学を志望している生徒が多く受験している模試でのトップクラスと、中学受験予定者が全く受けていない模試でのトップクラスなのかには大きな違いがあります。
全国でも屈指の最難関中学である灘中学に8年連続合格者数日本一の浜学園の幼児教育部門「はまキッズオルパスクラブ」の自由が丘校で、2月19日に無料講演会『最難関中学合格につながる幼児教育とは』が開催されます。
はまキッズオルパスクラブのホームページ:http://www.hamakids.jp/top.html
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2015.07.17
2009.10.31
籔 孝昭
AllAbout ガイド
金融機関で新規事業の立案や子会社の設立など企業経営全般に携わるとともに、大学や企業で「論理思考」や「マーケティング」に関する講義を行う。そこで、企業が求める人材と学生のギャップを目の当りにして、教育業界に転進。