関係維持戦略としての「ロマンティックな愛情」

2012.10.10

ライフ・ソーシャル

関係維持戦略としての「ロマンティックな愛情」

松尾 順
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

男女の付き合いにおいてお互い、自分が別の魅力的な異性に出会っても、今の相手に 「コミット」 し続けるためには 「ロマンティックな愛情」 を感じた経験が有効のようです。

男女(厳密には愛し合う2人!)が、お互いに相手をパートナーとして選択し続ける、すなわち「コミット」してくれるかどうかはとても重要な問題ですね。

結婚前の男女であれば、お互いに、相手に対して

「今後もずっと自分にコミットしてくれる」

という確信が持てなければ

「結婚」

に踏み切ることは難しいでしょう。

経済学者のフランクは、

「愛情」

という感情によって結び付いている男女(打算的な関係ではないという意味です)において、彼らの関係が維持されるかどうかを

「コミットメント問題」

と呼んでいます。

そして、この「コミットメント問題」を解決してくれる可能性が高いのが、

「ロマンティックな愛情」(romantic love)

を感じた経験の有無であることが、心理学の実験を通じてわかっています。

実験の詳細は省略して、結論だけをご紹介しましょう。

実験結果によれば、ステディな相手のいる人に、その相手に対して

「ロマンティックな愛情」

を感じた場面を思い出してもらうと、魅力的な他の異性になびきにくくなることがわかった。すなわち、ロマンティックな愛情は、魅力的な他の異性の存在を頭から追い出してしまうと考えられるわけです。

さて、

「ロマンティックな愛情」

とはどんなものでしょうね?

もちろん人それぞれでしょうけど、例えば、

・(偶然がもたらしてくれた)「運命的な出会い」
・(演出された)浜辺でのプロポーズ
・ 旅行先で2人で眺めた幻想的なオーロラ

といったことでしょうかw

今、あなたがお付き合いしている相手とこれからも良い関係を保ちたければ、

「ロマンティックな愛情」を感じる機会

を積極的に創出することが有効と言えるでしょう。

ついでながら、日本人男性(私を含め)は、

ロマンティックな演出

は気恥ずかしくて、苦手な方が多いのではないでしょうか?

しかし、だから突然振られるのです(笑)

がんばりましょう、この記事を読んでいる男子諸君!

(参考文献)

『進化と感情から解き明かす社会心理学』
(北村英哉、大坪傭介著、夕斐閣アルマ)

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松尾 順

有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。

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