大好きな温泉も、温泉の定義や温泉成分分析できると温泉を語れていっそう楽しめます。筆者は温泉ソムリエの資格を有しており、そのエッセンスをお伝え致します。
温泉の定義
温泉の定義は温泉法で定義しており、以下の2つのどちら(or条件)かを満たせばいいことになっています。
1)泉源における水温が摂氏25度以上
2)指定する19の成分の内、ひとつが一定以上の分量(1kg中)含まれている。
つまり、日本ならだいたいどこか掘れば、この2つのどっちかの条件にあてはまるということになります。
地下を掘って出てきた、何でもない水の温度が25度以上であれば、その湯を暖めて温泉だ!!、と堂々と言えるのです。
そういう温泉は「単純温泉」という部類になります。「単純温泉に」に関してはのちほど、解説します。
したがって、我々は、ただ温かいだけで温泉成分はほとんどない温泉や、ほとんど水状態から沸かしている温泉に入って喜んでいるようなケースも多いという訳です。下手するとバスクリン入れた家の風呂の方が効能が高いということになるのです。
温泉効能
温泉の効能には「一般効能」と「泉質効能」の2つがあります。「一般効能」とはいわゆるただ温かいための効能です。つまり家の風呂でも当てはまる効能となります。
大事なのは「泉質効能」です。これは温泉成分からくる効能で、実は温泉成分量により温泉名と泉質効能の定義が法律で規定されています。たとえば「虚弱児童に効く」と明記できるのは、「塩化物泉」だけで、「炭酸水素塩泉」や「硫黄泉」には書けないのです。それより、なんで虚弱児童に効くのかよくわかりませんが。
温泉行って、温泉成分表を見たら、まずこの「泉質効能」を見ることをお勧めします。ちなみに効能とは書いてないで、「適応症」というのが正式で、そう記載している場合が多いです。
でもこの「泉質効能」が無い温泉もあるのです。それが「単純温泉」なのです。
単純温泉
温泉の定義によると、「単純温泉」というのは摂氏25度以上だが、温泉成分は規定値以下の温泉のことになります。つまり、温泉効能が低く下手すりゃバスクリンの風呂の方が効能が上という温泉なのです。
したがって、私の田舎の日本最古の温泉と言われている「道後温泉」は単純温泉なので、温泉成分表の「効能(適応症)」には、家庭の風呂にも当てはまる一般効能(適応症)しか記載していないのです。
しかし、ものは考えようでそんな単純温泉でも「肌にやさしい湯」とか「赤ちゃんも大丈夫!!家族でゆっくり入れます!!」とかをキャッチにプロモーションができるのです。
ちなみに、道後温泉の名誉のために言っておきますと、温泉の定義の要素には含まれませんが、重要な成分要素としてPH値があります。そしてそのPH値が高く、アルカリ成分が多いすばらしい温泉なのです。いわゆる「美人の湯」というキャッチがつけられる温泉ですね。また、元湯の館では朝一番は太鼓の音で館開きとなり風情があります。銭湯好きの聖地として僕も帰省した際にはいくことにしています。お勧めです。
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