悪口を言わなければ、有名人になれますよ!
ビジネスマンの仕事は一人ではできません。いつでも、社内外の多くの方々に協力を乞う必要があります。このこと自体は何度も書いてきました。適当な文章を乱造していそうに見える私でも、「固有名詞」だけは批判しないように努めています。というのも、固有名詞を批判して、良いことが一つも見当たらないためです。
考えるに、たとえば料理レポーターが食した料理の悪口をいったとします。最初は盛り上がるでしょうし、痛快かもしれません。でも、ずっと文句ばかり、批判ばかりしているひととは一緒にいたくない。実際に、長続きしているひとは、ホメ上手ばかりです。もちろん、辛口批評家として生きるひともいますが、それには相当の芸が必要です(毒蝮三太夫さんの一流芸など)。
そのためには、ホメないまでも、仕事関係者全員についてポジティブにとらえる必要があります。そこで、参考になるのが、私たちの会社で働いている某女性です。身内を持ち上げるのは莫迦(ばか)みたいですけれど、この女性が凄い。すべてを前向きに表現しなおすのです。
私たちのなかで、ネガティブワードをポジティブなものに変換するのが流行しています。いくつかの例をあげます。誰かがつい「あのひとって、オタクだよね」というと、彼女は「それは、一つの物事に一途な魅力的男性と言い直してください」と指摘するのです。なるほど、そう考えれば、そのひとは愛しい存在です。
「人前で発言できない」のは「控えめなひと」ですし、「不満ばかりいう」のは「現状に満足できない、お話し好きのひと」になり、「気が利かないひと」も彼女にかかれば「まっすぐで純粋なひと」になります。「失敗続きのひと」は、「挑戦し続ける果敢なひと」で、「セコいヤツ」は「無駄遣いしないひと」
「上から目線な男性」は「リーダーシップ力のある男性」、「見た目が悪いひと」も「雰囲気があるひと」で、「ダサ」くても「個性的」であり、「臭い男性」がいても「男のフェロモンがあふれていてステキ」となります。
まあ……最後のはどうかとも思いますけれども、「ルーズ」を「相手に惑わされない」と言い換えたり、「行き当たりばったりな男」を「直感を信じる頼もしい男」と言い換えるにいたっては、笑ってしまうほど凄い。
NLP(神経言語プログラミング)には、VAKという単語があって、Visual(視覚)・Auditory(聴覚)・Kinesthetic (身体感覚)をつかいながら自分を再生することを勧めます。そして、日々そのひとが使っている単語や思考法を変えようとします。他者を変えるより、あるいは会社を、あるいは世界を変えようとするよりも、まずやるべきは自分自身を変えるというわけですね。
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2015.07.10
2015.07.30
未来調達研究所株式会社 取締役
大阪大学卒業後、電機メーカー、自動車メーカーで調達・購買業務に従事。未来調達研究所株式会社取締役。コスト削減のコンサルタント。『牛丼一杯の儲けは9円』(幻冬舎新書)など著書22作。