先回に引き続き4月11日に行われました「調達購買資材改革推進者勉強会」の発表について紹介していきます。
先回に引き続き4月11日に行われました「調達購買資材改革推進者勉強会」の発表について紹介していきます。
まずはグローバル調達グループです。
グローバル調達グループの発表で印象に残ったのは、グローバル調達発展論でした。このグループでは当初、所謂欧米を中心としたグローバル企業における調達モデルを将来像として検討することから始まったのです。しかし「多くの日本企業にとって有効性を持った内容を目指す」べきとしてグローバル調達の発展を以下の視点(自社リソース、サプライヤリソース、対象マーケット、モデルとなる売上高、規模)から6つのステージに分類し、それぞれ上のステージに移行するためにはどのような課題を克服しなければならないか、という地に足のついた研究を行っていました。
一例を上げると「海外からの調達を進める段階では予算獲得のスキルが必要」になると言っています。これは「海外調達を進めてコストを削減しろ」とトップダウンで指示が出ているにも関わらず、海外出張規程は20世紀型のままで、社長承認が必要で、予算もついていない、という有りがちな課題を取り上げたものです。
またこのグループの発表で非常に印象深かったのは発表者のこの言葉でした。「国内外を意識しないで調達購買を実践するのが本当のグローバル調達です」と。
発表者はグローバル企業でのサプライヤ開拓育成に携わっている方ですが、国内外を意識しないで同じ基準で評価をすると、「結果的に日本国内のサプライヤを選定している」という言葉も印象的でした。
色々な壁、課題はあるものの「国内外を意識しない調達購買の実践」がグローバル調達の本質であるという言葉には目から鱗です。
次は組織体制整備・強化グループ。
このグループは「だったら、世界一の購買部をつくってやる!」というテーマに基づいて組織構成、人的リソース、役割・機能、についてあるべき像を研究しています。
発表で印象に残っているのは、「集中購買」「分散購買」の組織論に解はない、ということです。調達購買部門のマネジメント層にとってこの「集中」「分散」の議論は悩ましい課題の一つと言えます。一方でこの10年位はどちらかというと組織論としては「集中」化が望ましいという方向であったでしょう。しかし、最近は「集中」化によるメリットが少なくなり再び「分散」化している企業も増えてきているようです。
調達購買部門のマネージャーが中心となったこの勉強会でも、一度集中化した組織の分散化は可能であり、その時々の経営戦略、事業戦略に応じた組織構成が求められるという指摘をされており、とても興味深い点でした。
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2009.02.10
2015.01.26
調達購買コンサルタント
調達購買改革コンサルタント。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルです。