“ひとり親家庭”を対象にした移住者誘致策が全国各地で続々登場

2016.05.24

ライフ・ソーシャル

“ひとり親家庭”を対象にした移住者誘致策が全国各地で続々登場

「地方創生のススメ」編集部 (東京過疎化プロジェクト)
合同会社RegionWire

全国各地で移住者争奪戦が繰り広げられる中、“ひとり親家庭”をターゲットにした移住者誘致を開始する自治体が増えている。

全国各地で移住者争奪戦が繰り広げられる中、“ひとり親家庭”をターゲットにした移住者誘致を開始する自治体が増えている。

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<都道府県>

長野県では2016年度から、都市部のひとり親家庭の移住促進策を実施。ひとり親家庭は貧困率が54.6%(平成23年度全国母子世帯等調査)にのぼる。一方長野県は「介護職」などにおいて深刻な人手不足が起きている。そこで低収入のひとり親家庭を対象に移住を呼びかけることで、ひとり親家庭にとっては安定した生活・育児環境を提供し、長野県にとっては人口減少を食い止めるとともに人手不足を解消しようという狙いだ。

新潟県では、県内の高校や大学に進学する子どもと一緒に県外から移住する、ひとり親家庭を対象にした支援制度を2016年度から実施。子どもに対して奨学金を貸与するとともに、世帯に対して引越し費用として15万円を助成する。またこの動きに呼応するように、北越紀州製紙は、新潟県内への移住を考えるひとり親家庭を対象とした採用活動を始めた。子会社の北越紙精選で正社員として3人を採用し、社宅も用意するという。

<市町村>

島根県浜田市では2015年度から、高校生までの子どもがいる、ひとり親家庭の保護者が介護職に就くことを条件に、家賃補助、自動車、引っ越し代などを支給しており、2016年4月に開催された政府1億総活躍国民会議では、同施策が先進事例として紹介された。

また福島県川内村では2016年度から、首都圏などのひとり親家庭に対して、引っ越しなどにかかる費用30万円を補助するほか、家賃の一部も負担する。対象は小中学生などの子どもを持つ母親、または父親を想定しており、村内の雇用支援も行うとしている。

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昨今ひとり親家庭の増加、そして貧困化は社会問題となっている。一方で地方は人口減少、人手不足が深刻化している。そうしたなかでこれらの取り組みは、上手くいけば両者が抱える課題を解決する有効な施策になる可能性を秘めている。

果たして狙い通りに進むのか、そして他の地域にも広がっていくのか、今後の動向に注目したい。

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