日本はユーラシア大陸ではない?:日本列島の成り立ちと地形

画像: 気象庁

2023.09.01

ライフ・ソーシャル

日本はユーラシア大陸ではない?:日本列島の成り立ちと地形

純丘曜彰 教授博士
大阪芸術大学 哲学教授

/日本列島はユーラシア大陸の東のヘリ、プレート上に浮いている花崗岩と変成岩、そのすきまに積もった砂や泥できている、見せかけだけの「大地」。おまけに、周囲であちこちのプレートがぶつかって、その影響で、島の中も、地形を変えるほどの大量の火山岩や火山灰を噴き出す火山だらけ。こんなもん、いつなにがあってもふしぎではない。/

さて、フォッサマグナの大断裂と北アルプスの大量噴灰で西日本のフィリピン海プレートの抵抗が弱まったため、太平洋プレートは日本海溝とともにいよいよ西進。これによって、北米大陸プレート(オホーツク海?)上の東日本に、北関東から札幌にかけて、瀬戸内湖帯と同様の長大なシワを作って、原日本列島の花崗岩の背骨を陥没させてしまう。ところが、800万年前にもなると、この硬い花崗岩のヘコミが下の北米大陸プレートにも傷をつけ、さらにその下のマントルからマグマが上がってきて、北海道ニセコから長野県八ヶ岳にかけての火山列ができ、かつての原日本列島の花崗岩の背骨に代えて、堆積岩と安山岩(マグマが急激に冷えたもの)でできた奥羽山脈ほかを隆起させる。

その後、長い時間をかけて、山は削れ、谷や海は埋まり、湿地や平野ができる。また、九州では、阿蘇山が27万年前、14万年前、12万年前と大噴火して、周囲の地形を激変させる。そして、このころ、島だった房総半島もようやく陸続きに。この間にアフリカで人類はホモサピエンスに進化。そして、9万年前に、阿蘇山が四度目の大噴火をして大陥没。世界最大のカルデラとなる一方、その火砕流が九州の半分を覆って「火砕流台地」を作り、北海道にまで15センチもの火山灰を降らせた。こんなすさんだ日本に人間が渡ってきたのは、3万8千年前。1万3千年前にもなるともう縄文時代だが、約1万1千年前から、富士山は数千年にもわたって、溶岩をだだ漏れ。同じころ、世界的に海水面が100メートルも上がって、日本列島は大陸から完全分離し、瀬戸内海や若狭琵琶湖湾、伊勢湾ができる。こうして、現在の日本列島の形がほぼできあがった。

いずれにせよ、日本列島はユーラシア大陸由来ではない。その東のヘリ、プレート上に浮いている花崗岩と変成岩、そのすきまに積もった砂や泥できている、見せかけだけの「大地」。おまけに、周囲であちこちのプレートがぶつかって、その影響で、島の中も、地形を変えるほどの大量の火山岩や火山灰を噴き出す火山だらけ。人間がやってきてからも激変しているし、人間自身が激変させてしまった。関東大震災から百年。こんなもん、いつなにがあってもふしぎではない。

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純丘曜彰 教授博士

大阪芸術大学 哲学教授

美術博士(東京藝大)、文学修士(東大)。東大卒。テレビ朝日ブレーン として『朝まで生テレビ!』を立ち上げ、東海大学総合経営学部准教授、グーテンベルク大学メディア学部客員教授などを経て現職。

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