タオ:規範の道

2024.05.01

開発秘話

タオ:規範の道

純丘曜彰 教授博士
大阪芸術大学 哲学教授

/タオは単なる道であり、陰か陽か、善か悪か、さらには賢者か人々かの違いはありません。また、タオは単なる手段であり、なにも強制しないので、誰でもそこから抜け出して、自分の好きなように物事を曲げることもできます。しかし、彼らは、すべては最終的には本来の道、タオに戻ると信じていました。/


「今日は3回目のレッスンです。古代ギリシアについてもっと学ぶのですか?」

いえ、今日のテーマは東洋哲学です。そもそも哲学には西洋も東洋もないし、古代も現代もありません。

「東洋最初の哲学者は誰ですか?」

それは古い話で、多くの人々によって徐々に結晶したアイデアです。おそらく紀元前17世紀頃の中国文明から始まったと思われます。

「それは何ですか?」

道を意味するタオです。しかし、それは原因から結果への直線的な一方通行ではなく、すべてが回転する環状線です。

「それは神のようなものですか?」

東方のどの王朝も長くは続かなかったので、東方の神は絶対的ではありませんでした。タオは西洋のモイラに似ていますが、よりダイナミックで、王朝を頻繁に変えます。

「『アルケー』と呼ぶのがふさわしいですね」


余白

「でも、西洋哲学の存在、エオンとかとは違うんですか?」

エオンは一かつ全です。そのため、最終的には静的な調和で世界を支配することになる。それで西洋は哲学とキリスト教のアポリアに陥った。

「『アポリア』って何ですか?」

道無し、つまり行き詰まりです。すべてはすでに決定されたそれぞれの運命にまっすぐに進まなければならず、誰もそれを変えたり、そこから抜け出したりすることはできません。

「それは決定論ですよね?」

彼らの失敗は、世界を真っ黒に染めてしまったことです。これらの絵を見てください。西洋人は空でも雲を描かないと気が済まない。一方、東洋人はあえて空白を残します。彼らの王朝は大陸全土を統治できたことがなかったので、辺境にはつねに自分たちの知らないなにかがあることを彼らは知っています。さて、これを知っていますか?

「ああ、前にも見たことがあります。しかし、それは何ですか?」

二匹の魚が尾を追いかけて回転する東洋の世界観の象徴です。

「ああ、うちのバカな白黒猫はよくこうやってクルクル回ってる」

黒だけでなく白もあって、世界は成り立っています。


時計仕掛けの世界観

紀元前17世紀に最初の統一王朝を樹立した古代中国人は、天候が穏やかな年と厳しい年が繰り返される10年周期を経験から知っていました。そして、観察してみると、太陽の見え方が年によって大きく異なることがわかりました。そこで、彼らは、10種類の太陽があり、それらがそれぞれの年の天候を変えると考えました。ここから、彼らは天堂の「十干」と呼ばれる、離散的な10の数字のサイクルを想定しました。

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純丘曜彰 教授博士

大阪芸術大学 哲学教授

美術博士(東京藝大)、文学修士(東大)。東大卒。テレビ朝日ブレーン として『朝まで生テレビ!』を立ち上げ、東海大学総合経営学部准教授、グーテンベルク大学メディア学部客員教授などを経て現職。

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