経営者よ、コミットせよ! 成果を生む人財・組織開発に:最終回

2008.04.29

組織・人材

経営者よ、コミットせよ! 成果を生む人財・組織開発に:最終回

齋藤 秀樹
株式会社アクションラーニングソリューションズ 代表取締役 一般社団法人日本チームビルディング協会 代表理事

これから組織の多様性をブレークスルーに連動させるための真のアクションラーニングの話に入ることが出来ます。

■BEからDOへ(組織としての信頼強度が飛躍的な成果を生み出す)

これまで、組織開発および人材開発の全体最適、および組織が本来のシナジーを生み出すために重要となる、BE(在り方)や組織成長プロセス(チームビルディングモデル)について言及してきました。
 これまでの内容は、性急にDO(やり方や問題解決)のみの対処に取り組んでも組織においては飛躍的な成果を創出できない真因について言及したものです。目先の成果やモラルを逸した力任せの取り組みは短期的にも成果が出ないばかりか、中期的には人材と組織を疲弊させ、モチベーションを低下させ、無気力化の源泉になります。

 全体最適に向けた処方を鮮明にし、組織メンバーが心からコミットできるビジョンを創出し、メンバー間の信頼関係を構築、強化し、組織の成熟度を向上させることで、初めて継続的に極めて高い成果を創出する組織環境が整うのです。
 やっと、これから組織の多様性をブレークスルーに連動させるための真のアクションラーニングの話に入ることが出来ます。

■リーダーシップが真に組織力の醸成に連動するためのリードマネジメント

成熟した組織において、力によるリーダーシップは成果創出の阻害要因になります。また、マンツーマンのコーチングも多大な労力をかけたほどには成果は乏しいものです。重要なことは、自律的、自発的で相互支援的なメンバーシップ力を高めるための、支援的なリーダーシップに取り組むことです。
そのための重要なマネジメントスタイルがリードマネジメントです。私達が進めているリードマネジメントは、選択理論心理学を中核とした人間の本質的な学びから派生したものです。

私達がリードマネジメントに着目した理由は、「モチベーション(内発的動機付け)」「信頼関係の構築方法」「ビジョンへの動機形成と日常行動」などの現在の組織が抱える課題解決に直結した理論が体系化されているからです。

?モチベーションとは、多様な人的関わりがどのように、やる気や成果に影響するのかということ。
?信頼関係の構築方法とは、私達が他者を受け入れ、心から信頼する(常に気にかけ、心から委ねる、心から支える)ための明確な理由付けのこと。
?ビジョンへの動機形成と日常行動とは、目標達成に向けた行動が三日坊主や計画倒れに終わるには、本質的な理由があるということ。

これからの組織マネジメントにおける必須要件は、心理学的な背景をしっかり理解した上でのマネジメント実務に応用することで大きな成果を生み出します。単純にどのように叱るか、褒めるかといった一過性の対応力の養成では組織力を生み出すことはできないのです。

次のページ■リーダーシップが真の成果を生み出すために必須となるフ...

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齋藤 秀樹

株式会社アクションラーニングソリューションズ 代表取締役 一般社団法人日本チームビルディング協会 代表理事

富士通、SIベンダー等において人事・人材開発部門の担当および人材開発部門責任者、事業会社の経営企画部門、KPMGコンサルティングの人事コンサルタントを経て、人材/組織開発コンサルタント。

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