人が変容するための秘薬などない。誰かが変えてくれることもない。原則に立ち返ることが着実な変化を生み出す。
ある企業で若手向けの研修を担当しました。実施から5ヶ月、2日間の研修の後の変化についてインタビューをしてきました。
「いったい何をしたんだ・・・」研修担当者が受講者の上司から、こんな声をかけられたそうです。研修から戻った部下の態度や姿勢が研修前とは明らかに違う。5ヶ月経った今も変わらず変容している。また、人事部門の受講者については、研修担当者自身が身近で見ていて、これまでの内向きな仕事の仕方が外向きにそして積極的になっている。同僚からも本当にいい意味で変わったとの評価が寄せられている。
研修は一過性である。たかだか2日の研修が大きなインパクトを持つことは極めてまれである。しかし彼らは変わり続けている。
■他責の世界からの脱却
昨今、組織開発の場面で、あらゆる階層の方々とお会いし話しをしていますが、いつも気になることが他責の風潮です。何か壁にぶつかると、その原因は上司や他者のせいにする。この発想が自己変革を妨げる最大の要因ですが、無意識にそのような思考が身についている。年齢に限らず。
変化の源泉は実はとても単純なのです。
・「鏡の法則」自分の目の前の出来事、結果は自分が選択したものである。
・他者、過去は変えられない。しかし、自分を変えることで影響を与えることはできる。
・自分が真に望んでいる「もの」「こと」を冷静に深く考え、そのための表現を選択する。
・そして、本気で取り組み楽しむ。
これって、当たり前のことですね。しかし、信条として取り入れている方はとても少ないのです。受講者の彼らは、素直に最も奥深い信条の書き換えを行ったのです。その結果が様々な行動変容として現れています。その書き換えの機会設定が研修でありファシリテーターの役割と言えます。
逆に
組織の中で足を引っ張っている人がいます。そのような人達の多くに共通的に見られる考えは「私は間違っていない。或いは私は悪くない」です。もし、その組織(その国、その社会、その企業、その学校、その家庭)が成果を出せずにいる場合、彼らもそのメンバーである以上、関係と責任があるのです。傾向として硬直化した組織にはそのような考えの方が多数います。そして、本人も周りも不幸になっています。
■CHANGE
CHANGEは常に私達の内にあります。
それは崇高な理論でもノウハウでもなく、自責によって自らが主体的に人生を楽しむ姿勢そのものがCHANGEの源泉なのです。
CHANGE
2008.11.08
2008.11.06
株式会社アクションラーニングソリューションズ 代表取締役 一般社団法人日本チームビルディング協会 代表理事
富士通、SIベンダー等において人事・人材開発部門の担当および人材開発部門責任者、事業会社の経営企画部門、KPMGコンサルティングの人事コンサルタントを経て、人材/組織開発コンサルタント。