安易にポジティブシンキングで前向きになろう!とおっしゃる方には私は嫌悪感を覚えます・・・。多少、メンタルヘルスの知見に通じている方は、安易なポジティブシンキングの危険性を知っているからです。
以前、書きましたが、入社した人が片っ端から既往歴が悪化するような、過酷な職場環境からか、ちょっとメンタル不調に陥り、回復したことがあります。
まあ、具体的には言いたくないですが。
また、部下が鬱となり、非常に困った経験を持っています。
(彼は今、回復して元気に働いています。毎日飛び込み営業をやっているそうです。)
そういった経験からか、セラピストの先生からお話しを伺ったり、そういった類の本を読んだり、コーチング資格をとってみたり、といったことをしたので、多少のメンタルヘルスに対するナレッジはあります。
安易にポジティブになろう!というお話しは世の中的には減少してきたのでは?と思うのですが、未だに組織をポジティブにする!というようなコンサルティングの宣伝文句を見かけます。
信じるものは救われる世界だとは思いますけどね。いや、信じて罠にはまる世界だとも思います。
組織の中で不自然に、誰かが前のめりにポジティブになると、必ず後ろ向きに引っ張る作用が起こります。
あまり科学的でないことを承知で言いますが、前向きに突っ走る人の数だけ、「うつ」の人が出てバランスを取るように思います。
心の綱引きというか、そういうことが起こっていると思います。
うつが続出して困っている企業は、むしろ前のめりに突っ走っている人のカウンセリングに力を入れるべきなのでは?と思うんですね。
組織のメンタルヘルスの平均値を上げることは重要だと思いますが、その際に、変にポジティブな人間にしようとすることで、平均値を上げようとしても、上がらないと思います。
1人の人間で見ても、ある時期に、あまりに前向きにポジティブになろうとすると、後から強迫観念的になったりするということがあると思います。時系列である時期はポジティブだけど、ある時はネガティブ。周期的にそうなっていく。まるで躁鬱病のように。
拒食と過食を繰り返すのと同じように。
正確に科学的知見に基づいているというよりは精神論、感覚論になっておりますが、メンタルヘルスで言われていることも非常にいい加減な世界です。心療内科に言っても、薬理でしか解決しようとしませんし。
それで私がお勧めしたいのは、心の真ん中にいることです。いわゆるセンタリングです。サッカーのセンタリングではございません。
まあ、そんなに簡単ではないですけど、ポジティブにもネガティブにもならない状態。
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メンタルヘルス
2008.12.17
2008.12.15
2008.08.07
2019.10.11
THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役
THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。