このご時世に儲かっている会社がある。経済はドシャ降りだけど、業績は常に堅調でピーカン。 羨ましいかぎりの会社、それは、世界で最大の気象情報会社『株式会社ウェザーニュース』である。そんな企業から、未来への雲行きを学びたい。
『株式会社ウェザーニュース』は、21年前の1986年に米国子会社として出発している。
気象が「水」「電気」「交通」「通信」に続く第5の公共資産=公共インフラと考え、世界中のあらゆる企業、個人の生命・財産に対するリスクを軽減し、機会を増大させることを実現する気象サービスを目指し・・・「67億人のサポーターとともに」という理念を掲げて、全世界に事業を広げている。
第22期目の決算では、売上げが117億5600万円強。経常利益は、約17億円というから、まさしく、優良企業である。
景気が悪くなったと言われる昨年後半からの業績も、第23期第2四半期を終えた時点で、連結累計が昨年を上回っているところを見ると、不景気なんかどこ吹く風の今期決算になること間違いない。
成長の追い風となったのは、1994年の気象業務法の改正だったようだ。そのことが、「おもしろ会社.com」に掲載されているので転載させていただく。
気象庁の建前に対抗したから成長した
日本の気象ビジネスは1994年の気象業務法の改正によって発展したといっても過言ではない。といってもピンとこないかもしれないが、その時から民間独自の天気予報が認められ、気象予報士が誕生したのだ。それまでは気象庁が「晴れ」と言えば、民間で雨と予測していても、予報は晴れとしか言えなかった。それが建前であり、顧客本位の本音で勝負する同社とは合わない。だから、同社の歴史は気象庁との綱引きの歴史と言ってもいいかもしれない。
例えばこんな話がある。現社長の草開が入社した時は社長が海洋気象を専門的にやっていたので、草開は航空気象を担当した。ところがこれには難敵があった。気象庁である。飛行機には気象情報の取得が法的に義務付けられている。だから、飛行場には、気象予報官がいて情報を常に提供しているのだ。つまり民間の一企業が入り込む余地はない。
そのため、桶川という予報官のいない場所にある本田航空が顧客第一号になった。そこでしぶとく事業展開をしていったのだ。しかし、日本航空の御巣鷹山の事故から潮目が変わった。各航空会社が気象庁の情報以外にもっと精密な情報を欲し出したのだ。
「気象庁の予報は一言で言えば、その場所の何時ごろの天気はどうなっているという情報だけです。我々はそれをもっと細かく、航空会社別に、もっと言えばパイロット別に提供した」と現・草開社長は言う。その情報で、降りられるか他所へ行くかが決まる。多大なロス発生を防ぐこともできるのだ。
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有限会社ペーパーカンパニー 株式会社キナックスホールディングス 代表取締役
昭和30年代後半、近江商人発祥の地で産まれる。立命館大学経済学部を卒業後、大手プロダクションへ入社。1994年に、企画会社ペーパーカンパニーを設立する。その後、年間150本近い企画書を夜な夜な書く生活を続けるうちに覚醒。たくさんの広告代理店やたくさんの企業の皆様と酔狂な関係を築き、皆様のお陰を持ちまして、現在に至る。そんな「全身企画屋」である。