結婚して今年で20年目。「熟年」の領域に入ってきた。2年前、2007年4月より、厚生年金の制度が一部変わるのを待って、爆発的に「熟年離婚」が増えるなんてニュースで賑わったが、その実態はどうなのだろうか。
新年になって発表された「平成20年人口動態統計の年間推計」は、既にいろいろなところで取り上げられているが・・・そこから数字を拾い出してみる。
離婚数は、減少している。
1988年から毎年1万件平均で右肩上がりだった離婚件数は、2002年度の総数28万9836件をピークとして減少を始め、2007年には、254 832件となっている。ここ数年は、毎年、1万件ずつ減っていることになる。
熟年離婚は、増えてない。
結婚生活20年以上という熟年離婚だけを取り上げてみると。その推移は、こうなる。
1970年 5,072
1980年 10,882
2002年45,536
2003年 45,045
2004年 41,958
2005年 40,395
2006年 37,782
2007年40 353
2007年4月より、厚生年金の制度が一部変わり、離婚する夫婦は、夫が過去の婚姻期間中に払った保険料に相当する厚生年金を、夫婦で分割できるようになる。その制度の施行を待っている熟年夫婦が沢山いると報道されていたが・・・実態は、なんてことはない。爆発的には、増えていない。
離婚のメインは、5年以内夫婦。
上記のように、同居20年以上の熟年離婚件数は40,353件。その約2倍以上の離婚件数があるのが、5年未満の夫婦で、86,607件。離婚件数全体の、実に、34%が、ここだ。
離婚の絶対的な危機は、5年以内にやってくる。
日本の離婚率1.99は、先進国の中でも低い方。
日本の離婚率が「2」を切って「1.99」になった。
米国は、「3.6」。
韓国は、「2.5」。
フランス、イギリス、ドイツ、いずれも「2」を切ってはない。
世界的に見て、日本の離婚率は、低い。
この日本の、離婚件数や離婚率の推移を見て・・・
他国に比べて、日本の夫婦愛は、正常であると喜んでいいのだろうか・・・。
それとは、反対に、
経済激動、大不況突入で失業率急増が必至の日本。
おちおち離婚できる状況ではないという理屈であろうか・・・。
きっと「漠然とした社会への不安」に対して、
いろんな自浄作用や、防衛本能が働いていると考えた方が良さそうだ。
博報堂生活総研が昨年末にレポートした「生活動力2009」の中の『「第三の安心」=みんなで社会全体の安心づくりへ。社会全体の“しくみ直し”へと向かう生活者』には、「まわり固め」をする生活者が増えてきているとしている。
ひとりでつくる安心
金とモノの豊かさを追求したバブル時代が終わり、社会から安心を保証されていた生活者は自らの手で安心をつくらなければならない時代が到来。生活レベルや贅沢の見直し、自己の能力や将来の目標を見定める「じぶん定め」へ。
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有限会社ペーパーカンパニー 株式会社キナックスホールディングス 代表取締役
昭和30年代後半、近江商人発祥の地で産まれる。立命館大学経済学部を卒業後、大手プロダクションへ入社。1994年に、企画会社ペーパーカンパニーを設立する。その後、年間150本近い企画書を夜な夜な書く生活を続けるうちに覚醒。たくさんの広告代理店やたくさんの企業の皆様と酔狂な関係を築き、皆様のお陰を持ちまして、現在に至る。そんな「全身企画屋」である。