世界初の携帯用DL型フルブラウザは、なぜ福井で開発されたのか1

2010.04.16

開発秘話

世界初の携帯用DL型フルブラウザは、なぜ福井で開発されたのか1

INSIGHT NOW! 編集部
インサイトナウ株式会社

わずか4人のチームで、開発期間もたったの4ヶ月。世界初のケータイ用DL型フルブラウザ『jig(ジグ)ブラウザ』は福井で開発された。各社がしのぎを削るブラウザ争いの中でもjigブラウザは、価格や使い勝手で圧倒的な強みを持つ。あえて福井での開発にこだわる創業者の思いは何だろうか。

第1回 「天才少年プログラマー、福井に現る」

■話を聞いた瞬間にできていたプログラム

「シリコンバレーに行きたいなと思った時期も確かにありました。でも、やっぱり卒業まではここ(福井高専)にいようと思いとどまったんです」

株式会社jig.jp・福野社長は福井工業高等専門学校の出身、卒業後に地元鯖江で起業した。高専は5年制だから、弱冠21歳での起業となる。日本でもベンチャー起業家は増えているが、成人式を終えてすぐの起業は珍しい部類だろう。

「起業というと大げさに聞こえますが、自分の中ではごく自然な流れでした。高専3年生の頃からアパートで一人暮らしをしていて、食費などはプログラムを書いて稼いでいましたから。卒業を目の前にして、どうしようかと悩んでいたら、先輩が誘ってくれたんですね」

自分で、自分が大人になったと思った瞬間のことを覚えているだろうか。初めてお酒を飲んだ日、たばこを吸ったとき、成人式に出た日。人によって思い出はさまざまだろう。

「自分が大人になったと感じたのは、たぶん高専2年の時ですね。初めてプログラミングのアルバイトをして、3万円もらったんですよ。僕も一人前じゃん、みたいな(笑)」

初仕事として作ったのは画像処理関係のソフトだ。先輩から紹介されたバイト先で、画像をパズル状にしたり、それをもとに戻したりするソフトを作って欲しいと頼まれた。

「できるかなって尋ねられたので、できると即答しました。実際話を聞きながらすぐに、どうやったらいいかが全部わかったんです。それでちゃちゃっと作って3万円、おいしいですよね(笑)」

いくら高専の電子情報工学専攻とはいえ2年生、まだ16か17歳に過ぎない。にもかかわらず要件を聞いてすぐにできると確信した背景には、それなりのキャリアがあったのだ。

「小学校3年生の時からプログラム遊びをしていました。初めて作ったのは、1から順番に数を足していった答えを出す計算プログラムです。解説書を読みながら、その通りにプログラムを書き、実行させると、きちんと答えが出てくる。これはすごいなって」

早熟な小学生はこのとき、プログラムの本質を直感的に掴んだ。

「1から10までの足し算ぐらいなら暗算でできるけれど、1から1万となると大変ですよね。ところがプログラムを書いてコンピュータを使えば一瞬でできてしまう。コンピュータってすごく便利なものなんだと子供心に感動しました」

コンピュータは人の暮らしを便利にする道具。これが福野氏の根っこにある捉え方なのだ。           
       
■Googleマップよりすごいかも

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