ジョークについて考えてみたいと思います。 普段、なにげなく口にするジョークは、ビジネスにどんな効果を生むのでしょうか?
以前、麻生前首相がニューヨークの国連総会で演説を行った際に、途中で通訳機器が故障し、冒頭からやり直すハプニングがあったのを皆さん覚えていますか?
開始から少し経ってから日本語で演説を行っていた麻生さんのところに国連大使が壇上に駆け寄り、機器が故障していることを耳打ちすると、麻生さんは、すかさず英語でこう言いました。
「メード・イン・ジャパンじゃないからこうなる」
会場は大きな笑いと拍手に包まれ、終了後には何人かの出席者が「いい演説だった」と麻生さんに駆け寄って祝福したことがありました。
それによって国連総会という堅い雰囲気の場が一気に和んだようでした。
日本人はとかくまじめな場所に出ると、緊張のせいか、気の効いたジョークで場を和ませることが下手なのですが、この麻生さんのケースは、なかなかのものだと感心したことを思い出しました。
「コメント力」斉藤孝氏著(筑摩書房)に優れたユーモアの例が幾つか出ていましたのでこれは面白いというものを紹介しましょう。
カリフォルニア州知事であるアーノルド・シュワルツェネッガ―が知事選を戦っていた際に、遊説先で観衆から突然生卵をぶつけられた時に、生卵を拭きながら言った一言。
「やつにはベーコンの貸しだ」
周りの人は誰もが
「何するんだ。このバカ野郎!」
と怒鳴るのではないかと戦々恐々としていたのですが、この意表をついた切り返しで周りの人は大笑いになったということです。
なぜベーコンかというと、卵をくれるのならついでにベーコンもよこせよ。でないとベーコンエッグができないじゃないかということなのです。
このようにユーモアは、ある種の緊張感のなかで発せられた意外性のある一言から生まれるのです。
以下のジョークは、意外性に満ちたとても面白いジョークです。
泉重千代さんが長寿世界一になったときに、インタビューで「好みの女性は?」と聞かれて言った一言。
「年上の女」
昭和天皇が、記者から「すきな力士は?」と聞かれて返した一言。
「それは職業上の秘密です」
天皇ご自身が、天皇を職業だと言いきっている意外性がとても面白い。
意表を突いたジョークで面白いのは、元関脇の蔵間が、記者から「なぜお相撲さんは頭にまげをのせているのですか?」と聞かれて、答えた一言。
「さあ、あれがないとただのデブと区別がつかないからじゃないですか?」
記者は、まげの歴史的由来やしきたりなんかの話を期待していたので、意表を突かれ、周囲にいた人達は大爆笑したようです。
続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。
- 会員登録 (無料)
- ログインはこちら
ビジネス進化論
2010.10.30
2010.06.10
2010.05.10
2010.05.06
2010.05.01
2010.02.08
2010.02.04
2010.01.19
2010.01.02