自由を追求する、より良いサービスを追求するには、それにともなって義務があります。「安くて良い」は理論上あり得ず、「訳あって安くしている」のが普通です。これは単なる消費活動だけでなく、情報の取得においても共通します。
この年末年始、グルーポンででたらめなおせちを高額で売りつけた事件は大騒ぎとなりました。
「ネット販売」と呼ばれるようになっても、通信販売という昔ながらのビジネスである実態は変わりません。この特徴は「見なきゃ(触らなきゃ)わからない」点です。通信販売で買った怪しげな商品にだまされた、というのは昭和の経験者であれば誰もが味わうもの。しかし一方で「でも通販だし」というあきらめも同時に学んでいた時代です。
この昭和の感覚である「あきらめ」こそ、実はネット社会で、ますますその重要性を増す「リテラシー」なのです。この値段でこれはおかしい、安すぎる、何か売ってる人・作ってる人・薦めてる人が怪しい・・・こんなところにその匂いを嗅ぎつけ、その上で自己責任で判断する能力、これこそグルーポン事件のような被害に合わないための重要な能力だと言えるでしょう。
グルーポンのメール登録はとっくにしてましたが、一度も買ったことはありませんでした。それは「怪しい」と思ったからです。グルーポンにはCMに出てくる「97%OFF!」をはじめ、ほとんどのクーポンが50%、つまり半額程度で提供とうたわれています。しかしよくよく読んでみると、インチキおせちの元値(定価)が2万円だったように、そもそも定価がインチキくさいのでした。
またまたリテラシーです。
主婦ならスーパーで「牛肉全品5割引セール」に行ったことがあるでしょう。私は特売大好きなので、しょっちゅう行きます。しかしこの「全品5割引セール」にはほとんど興味ありません。なぜならいんちき臭いからです。
5割引セール売場に並んだパック詰の牛肉は確かに半額です。しかしその元値を見てみると、100g398円とか、ん?普段100g298円程度のものが急に値上がりしてないか?と思う商品が多いのです。とゆーか、ほとんどの半額品の元値が高いのです。
私は宝くじは買いませんが、スーパーを常時監視しているので、通常特売で定価の200円引きとか、特売の中でもさらに安い商品等を見つけると、宝くじに当たったような満足感を感じます。
探し回るコストですか?
趣味なんですから。趣味をコスト試算する人いますか?楽しいから小学生の頃からやってます。
さらに元々スーパー業界出身の私は、スーパーが自ら身を削って安売りしている訳ではなく、メーカー・仕入先に「特別条件」を交渉して値引きしているのも知っています。堂々と特売品だけ買って帰るのもしょっちゅうです。
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戦略思考シリーズ
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株式会社RMロンドンパートナーズ 東北大学特任教授/人事コンサルタント
芸能人から政治家まで、話題の謝罪会見のたびにテレビや新聞で、謝罪の専門家と呼ばれコメントしていますが、実はコミュニケーション専門家であり、人と組織の課題に取組むコンサルタントで大学教授です。 謝罪に限らず、企業や団体組織のあらゆる危機管理や危機対応コミュニケーションについて語っていきます。特に最近はハラスメント研修や講演で、民間企業だけでなく巨大官公庁などまで、幅広く呼ばれています。 大学や企業でコミュニケーション、キャリアに関する講演や個人カウンセリングも行っています。