最近よく見かける賃貸物件の「仲介手数料無料」。何か裏があるに違いない、と深読みしてしまうアナタのために、仲介手数料無料の仕組みについて解説します。
仲介手数料とは?
そもそも仲介手数料とは何でしょうか。賃貸物件を借りる場合、貸主である物件のオーナーから直接借りるケースはあまりなく、ほとんどのケースでは間に不動産会社が入って仲介をしてくれます。このとき不動産会社に支払われるのが仲介手数料で、賃料の1ヶ月分が上限として定められています。
仲介手数料が無料になる仕組み
不動産会社もビジネスとしてサービスを提供している以上、無報酬では仲介できません。どうして仲介手数料を無料にすることが可能になるのでしょうか。
不動産会社が賃貸物件の仲介によって受け取れる報酬には、仲介手数料の他、貸主からの「広告料」があります。広告料は物件によって出たり出なかったりしますが、出る場合には、そこから仲介に掛かるコストを回収できるため、入居者からの仲介手数料を無料にできる、というわけです。
支払うはずの手数料がタダになるので、部屋を借りる側にとっては実際、お得です。
どうして仲介手数料が無料になるケースが増えてきたのか
このような広告料は以前から存在していましたが、どうして最近になって仲介手数料が無料になるケースが増えてきたのでしょうか。
ひとつには、消費者の仲介手数料に対する意識が変わってきて、今まで、入居者からは仲介手数料、貸主からは広告料、と不動産会社が「両手」で受け取ってきた状況が変わってきたことが挙げられます。
さらに、インターネットを使って、消費者が自分で物件を探せるようになってきたということも理由として挙げられるでしょう。仲介業務の大きなウェイトを占めていた物件の提案・案内業務を、消費者があらかじめ物件を決めてくることで削減できるようになれば、仲介手数料を引き下げることが可能になります。
例えば、弊社で技術協力させていただいた47株式会社。ウェブサイトで決めてきた物件の鍵を開けて仲介するだけ、という明瞭なビジネスモデルで、仲介手数料が無料になる嬉しいサービスです。
仲介手数料無料で気を付けること
一方で、仲介手数料無料だから何でも良いという訳ではありません。
手数料が無料となる前提は、貸主から広告料が出ることです。そのため、広告料の出ない、出せない物件は無料で仲介してもらうことはできず、物件の選択肢が幾分、狭まってくることを理解しておく必要があります。
また、前述の通り、入居者が自分で物件を決められる必要があります。仲介業務は、物件の案内から、入居審査のサポート、契約締結、入居希望者への広告など多岐に渡り、これらの業務をすべて同じように実施したうえで仲介手数料だけ無料にするのは難しいでしょう。
もし、あなたが特に住みたい物件が決まっておらず、物件選びにも自信がなければ、仲介手数料を支払って、物件探しからサポートしてもらった方が良いかも知れません。
これまではインターネットで賃貸物件を探そうとしても、情報が更新されていなかったりして難しいものがありましたが、インターネットの特性を生かした取り組みも増えてきています。
「仲介手数料無料」もその一つ。インターネットを使ったお部屋探しに、仲介手数料無料を利用してみてはいかがでしょうか。
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2013.06.13
2015.07.30
株式会社インフォアスリート 代表取締役
1976年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科修了。ERP導入コンサルタントとして、企業の基幹システムの導入に携わる。その後、独立して株式会社インフォアスリートを設立。